バブルの時代から「眠らない街」と呼ばれる六本木エリアは、国内外から多くの人々が集う、大人の夜の遊び場だ。六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどの大型商業施設ができてからは、できてからは客層も幅広くなり、都内随一のエンターテインメント地区に成長している。この街の遊び慣れた大人たちの肥えた舌を満足させる注目店から、始発間際の空腹を満たしてくれる気軽に立ち寄れるスポットまで、タイムアウト東京が選んだ店を紹介する。
シェフ、田中佑樹の懐石料理店、割烹伊勢すえよし。そこは、東京にいながら美味しい日本の四季の味を堪能できる場所である。カウンター5席、テーブル6席だけの小さな店に、海外からの客も我先にと予約を入れる。田中の経歴は少し異色だ。専門学校卒業後、日本を代表する高級料亭、菊乃井で4年間、日本食を身体に叩き込んだ。その後、醤油と昆布を携えて料理を学ぶ旅に出て、15カ国以上を巡った。旅の途上で痛感したのが、その土地が育んだ食材がその土地の食文化をつくるということ...
東京らしい極上な食事を提供している店野中で、すきやばし次郎ほどの店はないだろう。「二郎は鮨の夢を見る」を観たことがある人なら尚のこと、次男の小野隆士氏が経営する六本木の店舗も訪れるべき店だ。
マンハッタンは貴重な料理人を失ったが、日本は素晴らしい蕎麦職人を得た。HONMURA ANの店主、小張幸一が2007年に、亡くなった父の店を継ぐためニューヨークの店を閉めると発表したとき、アメリカの蕎麦ファンたちは喪に服した。何年もたった今でも、小張の蕎麦の味を求めて東京の店を訪れるニューヨーカーたちがいるという(「オノ・ヨーコもそんな一人ですよ」と彼はつぶやいた)。HONMURA ANがなぜ2つの国で成功したかはすぐに分かる...
六本木界隈でベジタリアン向けレストランの少なさに途方に暮れていた人にとって、「健福 六本木」はおすすめできる店だ。東京・国立で1986年から営業している台湾素食専門(肉、ニラ、ニンニクなどを使わない台湾料理のこと)の「中一素食店」が運営する六本木店では本店同様、台湾素食の理念に基づいた料理が楽しめる。ここでいう素食とは、基本的に肉や魚を用いない菜食料理を指すが、特筆すべきはネギ、ニラ、ニンニク、アサツキ、ラッキョウ、これら5つの野菜を用いない、五葷(ごくん)の考えが含まれること。この店では、たっぷりの野菜と、大豆、グルテン、湯葉、蒟蒻などで作られた植物性由来の“肉”を巧みに使った料理の数々が楽しめる。ヘルシーなだけでなく、ヴィーガンや...
骨董通りを一本入った細い路地にある高級焼肉店。店内は、黒を基調としたモダンな雰囲気で、カウンター席、個室、ボックス席とシチュエーションごとに使い分けることが可能。アラカルトも用意されているが、せっかく訪れるのであれば、ぜひおまかせコースを頼みたい。コースの一品一品が一般的な焼肉店で看板をはれるレベルで、誰しもが満足するはずだ。焼き方や食べ方にも工夫が凝らされ、焼肉を一番美味しく食べるにはどうすれば良いかということが考え抜かれた一連の流れには感嘆する...
人気シュラスコ料理専門店のバルバッコア。希少価値の高い牛肉の部位や、ブラジル独特の食材が並んだサラダバーなど、全50種類近くある料理をブッフェスタイルで楽しむことができる。また、六本木ヒルズ店は、1994年に1号店としてオープンした表参道本店に次ぐ約200席をも有する大型店だ。また、バルバッコアとしては初めてのプライベートルームも完備。ぜひこの機会にゆっくりと、グローバルな人気を誇る同店の料理を楽しんでみてはいかがだろうか。
2015年末にオープンして以来、大絶賛されているこの西麻布のステーキハウスでは、系列の精肉店から仕入れる上質な国産牛と、定番イタリア料理が食べられる。ワインリストはイタリア産が中心で、種類は少ないが美味しいパスタもあり、アペタイザーは牛肉のカルパッチョやカプレーゼなどから選べる。イタリア料理も美味しいのだが、ほとんどの客の目当ては牛肉だ。店の中央にある冷蔵ショーケースで、料理される前の肉を見ることもできる...
青山の曲がりくねった裏通りにある長谷寺から西麻布方面に進むと、多くの人が東京のフレンチレストランの頂点と認めるレフェルヴェソンスがある。オーナーシェフの生江史伸が率いる同店は、ミシュラン二つ星を獲得し、アジアのベストレストラン50に3年連続でランクインするなど、国内外から数々の称賛を得ている。主要スタッフは、元々は客だったが同店の料理を愛するあまりに仲間に加わった面々ばかりだ。 確かな実績を積み上げているにもかかわらず、チームを重視する生江はシンプルな目標を追求している...
地下鉄六本木駅から徒歩3分、六本木ミッドタウンの裏路地にあるモダンでスタイリッシュな内装の店舗。福岡にある玄瑛が六本木に出店。ブランド豚である、イベリコ豚に焦点を当てた一杯を提供している。メニューは『XO醤薫イベリコ豚の玄瑛流ラーメン』(920円)が看板メニュー。抑えめの濃度の豚骨スープには、ホタテや海老などの風味のXO醤が混ざり合い重厚感がある。こだわりの麺はしっかりと寝かせた熟成麺で、焼き上げられたイベリコ豚のチャーシューも歯応えもある贅沢な味わい。こだわりの食材が揃った満足感の高い一杯に仕上がっている。
西麻布交差点から歩いて3~4分、青山墓地の南端に位置する『かおたんラーメン』は、西麻布・六本木界隈で夜遊びした後の、禁断の“〆タン”スポットとして愛され続けている老舗ラーメン店。ここでは、まずニンニクの風味が効いた『味付けもやし』をビールで流し込み、『腸詰』を頼んでから『ラーメン』を注文するのがおすすめ。すっきり醤油ベースのスープに、細麺と香ばしい揚げネギが好相性。今にも潰れてしまいそうな、バラック小屋のような店そのものも、東京の文化遺産としての魅力がある。
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