松谷武判
「東京オペラシティ アートギャラリー」で、松谷武判の全貌を紹介する大回顧展が開催。半世紀以上パリを拠点に制作し、今なお走り続ける松谷の国内初の美術館個展だ。
1937年生まれの松谷は、1963年に戦後日本の前衛芸術を牽引(けんいん)「具体美術協会」の会員となり、当時の新素材である接着剤を使ったレリーフ状の作品を発表。1966年からパリに拠点を置き、当時現代アートの最前線であった版画制作に取り組み始める。やがて、接着剤による造形に鉛筆の黒鉛を重ねた漆黒の作品で新境地を開く。
87歳になる現在も、さらに自由で大らか、密やかな繊細さをもってパリで旺盛な制作を続ける。近年では、2017年の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」、2019年のパリ「ポンピドゥー センター」での回顧展など、改めて国際的な評価を高めている。
自らの身体と五感を働かせ、驚きに満ちた作品を生み出し続ける豊かな創造性を見逃さないでほしい。
※11〜19時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は1,600円、学生1,000円、中学生以下無料