希須林 軽井沢
Photo: Kensuke Yamamoto
Photo: Kensuke Yamamoto

青山に本店を持つ人気中華「希須林」、今訪れるべきはシェフのセンスが冴える軽井沢店

連載企画「軽井沢は東京24区?」、第3回は希須林 軽井沢を紹介

寄稿:: Kensuke Yamamoto
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東京からのアクセスの良さや洗練されたたたずまいの店舗や施設が多いことから、軽井沢は「東京24区」といわれることもある。この一言を真に受けて、東京の延長線上で楽しめるこなれたスポットを紹介していこうと立ち上げた連載企画がこの「軽井沢は東京24区?」だ。

第3回の今回は、星野エリアの「ハルニレテラス」内に2019年にリニューアルオープンした「希須林 軽井沢」を紹介。青山に本店を構え、赤坂にも支店を持つ人気中華料理店である。

2009年にハルニレテラスの開業に合わせて50席以上の大箱レストランとしてオープンしたが、10年が経過し、カウンター9席でシェフと会話しながら話せるスタイルへリニューアル。同時にメニューもシェフ・佐野太一の独自色が強くなり、リニューアルから4年がたった今も日々進化し続けている。

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店は佐野と妻の祐美子、スタッフを加えた3人で切り盛りしている。佐野は、青山「ふーみん」など都内の中華料理の名店を経て、希須林に入社。2009年の軽井沢店オープン時に料理長に抜てきされ、軽井沢に移住し、現在に至る。

店内にはカウンターが9席、春から秋の天気の良い日はテラスのテーブル席も利用可能。カウンター越しのキッチンからは、ダイナミックに調理するシェフの様子がダイレクトに伝わってくる。

カウンタースタイルへのリニューアルによって、ゲストと会話することも増え、料理を食べてもらう人の顔を浮かべながら「自分の料理」を作る意識が高まっていったという。

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レギュラーメニューの中でいちおしは「麻婆茄子」(1,200円、以下全て税込み)。おそらく、これまで食べた麻婆茄子の中で最もおいしいと僕は思っている。

自家製の唐辛子を発酵させた泡辣醤(パオラージャン)とひき肉のあんがナスと見事に絡み合い、抜群のハーモニーを奏でる。まだ食べたことがないという人にはぜひ一度味わってみてほしい。

シェフのおすすめは「希須林のレバニラ」(1,200円)。新鮮なレバーを毎週牧場から取り寄せており、普段はレバーを食べないけれど、ここでは食べるという常連客もいるという。新鮮でシャキと炒められたニラとの相性は抜群だ。

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「豆腐と春雨の胡麻だれサラダ」(980円)も外せない。6月のシーズンは北軽井沢産の生シイタケが春雨と豆腐の上に乗っている。胡麻だれをまとった春雨と豆腐を挟んで食べると、その組み合わせの良さが口の中にあふれる。

アルコールは、本店のソムリエと相談して選んだワイン各種をはじめ、「イチローズモルト」といったウイスキーも数種類。そのほか、ビール、サワー、紹興酒などがラインアップしている。

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余裕があるときは、シェフのおまかせメニューを出してくれることもある。取材時には、ホタテに、熱々の胡麻油をかけたすり下ろしショウガを乗せて、塩昆布と揚げ青ネギを散らした一品を堪能。食材同士の抜群の組み合わせに、舌がうなる。

さらにおまかせメニューから青椒肉絲 (チンジャオロース)を佐野流に再構築した一皿を紹介しよう。ピーマンの炒めものとレア目に火が入った牛肉が添えられている。牛肉は群馬の牧場の交雑牛で、赤身と脂身のバランスが「青椒肉絲風」にはフィットするという。確かに適度な脂の乗り具合で、ピーマンとの最高のマリアージュが実現されていた。

席数が多いときは、いわゆるスタンダードな中華料理のメニューが中心だったが、カウンタースタイルになってからは「材料を厳選し、引き算の料理に進化していった」と佐野は話す。

現在は青山店と同じメニューでも、別のレシピで作られており、それぞれの店で独自の料理が楽しめるようになっている。軽井沢へ行く際には、ぜひディナーで訪れてほしい一軒だ。なお、1週間程度前に予約することをおすすめしたい。

執筆者プロフィール

山本憲資

Sumally Founder&CEO

1981年生まれ、神戸出身。 広告代理店・雑誌編集者を経て、Sumallyを設立。 スマートフォン収納サービス「サマリーポケット」も好評。 2020年夏から軽井沢に拠点を移し、スマートリモートライフを実践している。音楽、食、舞台、アートなどへの興味が強く、週末には何かしらのインプットを求めて全国各地を飛び回る日々を過ごす。

もっと軽井沢について知りたいなら……

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都心からもアクセスしやすい自然豊かな軽井沢は、日本屈指の高原リゾートタウンだ。東京駅から新幹線に乗れば約70分ほどで着くことができ、ぶらり旅にもぴったり。夏はゴルフやハイキング、秋には色とりどりの紅葉、冬はスキーやアイススケートなど、年間を通してさまざまなアクティビティを楽しめる。

軽井沢が避暑地として栄えたのは明治時代のこと。当時は東京から暑さを逃れてきた外国人宣教師やその家族が多く移り住む、国際的な雰囲気だったという。その後は日本人富裕層のリゾート地として繁栄し、今でも街には美しい洋館や教会など、当時の面影を感じられる建物も多く残る。

ここでは、グルメや最新リゾート施設など常に注目が集まる軽井沢の魅力を紹介する。

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明治時代から栄えた歴史ある避暑地の軽井沢。ハイエンドなイメージだが、気軽に、しかも質のいい、まさにコスとパフォーマンスに優れた穴場的スポットもある。目利きの別荘族も毎週通うジェラートやリカーショップ、あの高級リゾートの新形態のホテルなど、話題のスポットもたくさん。今回は駅や旧軽井沢の中心地からアクセス抜群の、車でなくても行きやすい、今、通うべき軽井沢を案内する。

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