タイムアウトグローバルが選ぶ、世界のクールな地区10選

2位に下北沢がランクイン、旅の行き先はクールな地区から選んでみては

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タイムアウトが行った全世界対象の大規模な都市調査『Time Out Index 2019』をもとに、タイムアウトのグローバルチームが『The 50 coolest neighbourhoods in the world』と題したランキング記事を発表した。 同調査は、世界の2万7000人以上の都市生活者に、各都市のフードシーンの充実度、文化的多様さ、フレンドリー度、財布事情、幸福度、住みやすさなどを尋ねたもの。

その結果をもとに、さらに専門家たち(タイムアウトエディターと各地の事情に詳しいエキスパート)に意見を求め、各都市のなかで最も話題性の高い街を特定させたのが、このランキングだ。

ランク付けの基準は、「新しくオープンした素晴らしいヴェニューがあるか」「住民がまだそこで暮らす余裕があるか」「旅行者が新進気鋭アートや文化、食べもの、飲みものを発見できるスポットか」「直感的に期待の新星といったオーラが感じられるエリアか」といったもの。

日本の下北沢は2位にランクインした。ここでは、10位以内にランクインした街を紹介したい。

1. アロイオス、リスボン

リスボンの多文化地区であるアロイオス教区。新しいものが古典的なものと共存し、多様性が感じられる地区だ。

アベニーダ・アルミランテ・レイスとその幹線道路に沿って、アーバンアーティストのAkacorleoneが最近再発見したカンポ・マルティレスダ・パトリアのバスケットボールコートをはじめとする、屋外ギャラリーの数々に目を奪われる。

この街一番の飲茶が味わえるグランド・パラシオ(Grande Palácio Hong-Kong)からトップクラスのメキシコレストラン、エル・タコ・チンゴン(El Taco Chingón)まで、世界各地の風味を味わうのもいいだろう。

そのほかにも、リスボン最古の公立図書館である新古典主義建築のサン・ラザロ公立図書館といった、歴史的宝物を発見できる。アロイオス地下鉄駅は現在一時的に閉鎖しているが、この界隈(かいわい)の輝きはそんなことで失われてはいない。

アンジョスなどの別の駅で降りるか、チリ広場(Praca do Chile)でスクーターをレンタルして周辺探索を楽しもう。

2. 下北沢、東京

東京にとっての下北沢は、ニューヨークにとってのブルックリンのような存在だが、唯一違うのはもっとイカしていること。

渋谷新宿など都心の近隣地区と比べると商業開発が進んでいないが、「下北」には流行に敏感な雰囲気や、アンダーグラウンドな格好良さを持つカウンターカルチャー、若者たちからの信頼であふれている。

古着屋に混ざって、趣のある独立経営のレストランやカフェ、バーもたくさん見つかる。「Kawaii」の聖地、原宿に対するアンチテーゼであるグランジスタイルが大好きな人にとっての、行きつけの場所だ。

東京の中心部から遠く離れたように感じるかもしれないが、渋谷駅から簡単に行くことができ、歩いて探検するのにぴったりの広さだ。

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3. オニカン、ラゴス

ラゴスの歴史地区であるオニカンでは、過去、現在、未来がぶつかり合う。

軍の兵舎が所有する緑の空間や細い路地の間を涼しい風が吹き抜ける。路地に並ぶのは、独立以前のコロニアル建築、1970年代のブーム、そして現代の西洋式鉄筋コンクリート構造といった、街の歴史を物語る建物の数々だ。

風景はさらに変化を続ける。クリエーティブな人々が本物の街らしい環境を求めてこの地区に訪れるが、サッカー競技場や高層駐車場など、大型の建築物が次々に出現しているのだ。

急速な都市化は目で見ても分かるが、それでもオニカンはユニークな地区だ。コミュニティーを基盤とする土地のエネルギーは、その絶え間ない再生サイクルの上に構築されているのである。

4. ヴェディング、ベルリン

家賃の上昇やスタートアップ資金の流入によりドイツの首都であるベルリンの顔は変わったが、ベルリンのヴェディングは古い伝統が根強く残る地区だ。

ベルリンでは過小評価されており、物価がかなり安く、いまだにセクシーな地区である。ここでは、ノイケルンやクロイツベルクといった地区では見つけることが難しい、ぱっと見には分からない隠れた魅力がある。

ドイツ人であれ、移民であれ何代にもわたる労働者階級コミュニティーのスプロール現象の本拠地であるこの地区(2001年以来正式にはヴェディングの一部ではなくなった近隣のゲスンドブルネンを含む)は、活気ある市場、本格的なドイツパブ、そして公共スペースで知られる。

公共スペースは広大で、ベルリンの住宅不足に利を得て一攫千金を狙う不動産業者もまだ手をつけていない。戦後に誕生し今でも操業を続ける数々の有名なクナイぺ(ドイツ酒場)の一軒でくつろいでビールを飲むのにも、アンダーグラウンドのアートショーを見るのにも、ヴェディングはベルリンのかっての全盛期を垣間見たい人にぴったりの遊び場なのだ。

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5. ヒストリック・フィリピノタウン、ロサンゼルス

ロサンゼルスのジェントリフィケーションが進んでいるほとんどのエリアでは、均一的なヒップさばかりを取り入れ、地域の気質や文化をないがしろにしてしまっている。しかし、ヒストリック・フィリピーノタウンは、地域の個性を尊重し、進化を遂げているエリアと言えるだろう。

ヒストリック・フィリピーノタウンは、英語表記である「Historic Filipinotown」を縮めてハイファイ(HiFi)と呼ばれることもある。近年では、このエリアの店がロサンゼルスで話題になることも多く、フィリピンに限らないアジア系アメリカ人の飲食店も増えている。食欲をそそるアジアのお粥を出すポリッジ・アンド・パフズ(Porridge&Puffs)をはじめ、90年代のヒップホップカルチャーを感じるハイファイ・キッチン(HiFi Kitchen)、母と息子で中国の家庭料理を紹介しているウーン(Woon)、アフリカ系アメリカ人が作り出す花にあふれた空間が魅力的なブルーム・アンド・コーヒーなどは、ロサンゼルスの街の魅力のひとつである文化の融合を体現したような店だ。

ヒストリック・フィリピーノタウンはまだ発展の初期段階にあるが、エリアの東側でエコパークに近いテンプル・ストリートなどでは、活発な動きが見られる。また、ウェストレイク方面に向かうビバリー・ブルバードの西側周辺では、これはガバギャラリー(Gabba gallery)が主催している壁画で地域を美化していくプロジェクトのために描かれた作品を見ることができる。

6. ウォーターフロント、ホバート

 2011年1月、幸運なハイローラー(大金を賭ける人)のデイヴィッド・ウォルシュは、ギャンブルで儲けた数百万ドルを費やして、自分の故郷であるタスマニア州の州都ホバートに世界クラスの美術館を開館した。

ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(MONA)が開館するとホバートは「どうしてあんな所に行かなきゃいけないの」と言われる街から、美術愛好家や文化中毒者、食通、ワイン愛好家、アドレナリンフリーク、自然愛好家、そしてあらゆる信条の旅行者に「今すぐ行かなきゃ」と言わせる街へと一気に変身させた。

急増する旅行客は、ホバートの驚異的なユーカリの森、世界をリードするウイスキーやジン、ワイン、そしてシーフードを中心とした素晴らしいグルメシーンを探索中だ。一方この街には冬至を祝う『DARK MOFO』というお祭りがあり、メルボルンやシドニーの目新しものが好きな人にとっては、ここを訪れるのは年に1回必須の聖地巡礼のようになった。

ホバートの星は上昇中というだけでなく、良い意味での流星だ。

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7. ストラスブール・サンドニ、パリ

オーマレというスタイリッシュな住所や11区のビストロ・ルネッサンスを無視する気は毛頭ないが、「パリジャン・クール」の中心は、今でも「SSD」ストラスブール・サンドニだ。

これはアルノー・ラコンブとギヨーム・ル・ドンシェという2人の男性の努力によるところが大きい。2人はプティ・エキュリー通りを、レストランでワインバーのデビアント(Déviant)、ホテル・ブルボン・ナイトクラブに至る、市内で最もヒップなヴェニューが集まる地区へと変化させたのだ。

その近くにあるフォーブール・サンドニ通りも、ソピ(SoPi)に見られるような高級化クリシェにつまずくことなく変化を重ねている。ブルジョワ・ボヘミアン、通称「ボボ(BOBO)」っぽい人が増えてきてはいるが、それでもまだ活気にあふれ、多文化が交わることで常に新しさを感じさせてくれるスポットだ。

8. アストリア、ニューヨーク

この数年、ニューヨークのクリエーティブな人たちはクイーンズに押し寄せるようになった。

その多くが、この地区の「ボホクール」と呼ばれるDIYのメッカであるリッジウッドや、ロングアイランドシティのアーティストロフト、そしてウッドサイドののんびりと静かな環境の方を選んだ。

しかし、私たちは最もエキサイティングなのはアストリアだと言いたい。地下鉄30番街駅の階段を降りると、何十年も前から続く店で用達をしている人や、新しくオープンした人気のレストランでゆっくと食事を堪能している人、世界中からやって来た住民たちの近所付き合いをする、にぎわいの中にいる自分に気付くだろう。

開発されすぎの北ブルックリンにかわる、より賢明でメルティングポット的な選択肢と考えてもいいかもしれない。その理由は、家賃がはるかに手頃だからというだけではない。

エジプト料理のレストランやシーシャバーが立ち並ぶスタインウェイ・ストリートから、ウェリング・コート・ミューラル・プロジェクトの豪華なストリートアート。アストリアには、多様性、美食、エネルギーがあふれている。こうしたものは最近ニューヨークでは見られなくなったとこぼす人もいるが、ここにはそのすべてがある。

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9. エンバハドーレス、マドリード

マドリードでエンバハドールほど活気と多様性にあふれた界隈は他にない。ラバピエスの多文化バリアーダ(スラム)から歴史的なエル・ラストロ(蚤の市)の開催地にまで広がる地区である。

ティルソ・デ・モリーナ広場では、ストリートアーティストのOkudaによる大胆な壁画の隣には花屋がある。ラバピエス通り周辺に次々に現れたインド料理レストランの隣には、伝統的な飲食店が立ち並ぶ。

そのなかでも特に有名なのがメロス(Melo’s)だ。物好きな客が集まって、名物の『サパティージャ』(スケートボードと同じくらいの大きさのパン2枚の間に、生ハムとチーズをたっぷり挟んだ料理)を注文する。

毎年5月には『CALLE Lavapiés』が開催される。何十人というアーバンアーティストがこの地区の目印となるようなバーや店のファサードを飾る祭りだ。そして10月になったら、マドリードで最もおいしいグルメイベントである『Tapapiés』というタパスのフェスティバルが行われる。

10. ピルセン、シカゴ

独特の壁画や強力なパブリックアートシーンで知られるピルセンは、シカゴで最も有名な地区である可能性が高い。

もともとチェコ、ポーランド、ドイツ、イタリア人の移民コミュニティーを暖かく迎え入れる地区として設立された。1970年代までにはラテン系の人口が増加したことによって、国立メキシコ美術館といった世界クラスの施設や、シカゴで最も本格的なメキシコ料理がもたらされた。

この地区の大動脈は18thストリート。素晴らしいタコスタンド、バー、古着屋、カフェが点在する、活気のある歩道だ。だがちょっと時間をかけて、観光ルートを離れ、通りや路地に並んだ派手な壁画を探索してみよう。この地区の多岐にわたる過去の歴史を物語る壁画を数多く発見できる。

海外に行くなら……

  • Things to do
あなたは旅好きだろうか?ならば、この記事を読んで「死ぬまでに世界を回って体験したいことリスト」を作るか、これまで溜めてきた同様のリストがあれば、この機会にぜひもう一度見直してほしい。 「百聞は一見にしかず」と言うが、どれほど情報を集めるより、自分自身で味わうことに勝るインパクトはない。素敵なものを「見る」よりも、素敵なことを「する」ほうが、より充実した、人生で忘れられない希少体験になるはずだ。溶岩流で何かを料理したり、標高約3650メートルの高地で食事をすることは格別である。 もちろん、物質的なモノを集めることも楽しいが、記憶に残る時間を心に貯めてみるのはどうだろう。例えば、砂漠の真ん中でクリスタルボウルの音色に浸ったり、435もの橋を渡ったりする鉄道の旅は、モノから得られるものとはまた違った、心の奥底からの感動をもたらしてくれるはずだ。外に出かけること、そして何かを実際に体験することは、我々の探究を満たし、そして成長させてくれる。 タイムアウトは、50年前にロンドンでスタートし、人々が「したいこと」を見つける手助けをしてきた。先日発表した『世界で一番クールな場所』のように、このリストも世界各地の「したいこと」を発見できるようなものに仕上げている。 リストは、世界の400以上のエリアに散らばる、約200人の現地に精通したライターやエディターから集めた情報がベースになっている。彼らから最初に集まった推薦リストは、5000件以上。これに加え、世界中のタイムアウト読者から寄せられた約15000件の情報も選考の対象になった。我々の控えめで専門的な見解では、こうして集められ、50に厳選されたリストには、「今、世界で最も行くべき場所」と「体験するべきこと」が凝縮されていると言える。 50のリストの選択には、その場所や体験がどれだけユニークか、タイムリーか、文化的に秀でているかなどが考慮された。最終選考に関わったのは、タイムアウトの演劇、アート、博物館、映画、フード、トラベルを専門にするエディターたちだ。 リストの中には、無視できない流行の「したいこと」も入っている。我々は、1000年の古都の上をロープで滑り降りたりするなど、常にドキドキすることをやってみたいと思っているのだ。我々の願いは、このリストが、ただの備忘録で終わらないこと。世界各地にある素晴らしいことを経験したい、その場所に感動し敬意を払いたい、と思ってもらえると嬉しい。 このリストには、「新しい洗濯機を買う」のように、日常生活で活用できるような、最新型洗濯機の情報は入っていないかもしれない。しかし、4つ目で紹介しているミャオ・ウルフには、キラキラと青い星が輝く場所への秘密の入口が付いた洗濯機があったりする。我々は、このリストで紹介している情報は、どれも胸躍る体験だと自信を持っている。さあ、楽しい旅を。 リストの中にある場所へ行って、もし紹介した体験を気に入れば、ぜひ、ソーシャルメディアでシェアしてほしい。その際、「#TimeOutDoList」を付け、「@TimeOutEverywhere」のメンションを忘れずに。
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海外旅行で行くべき100の場所
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ロンドンやロサンゼルス、香港、メルボルンなど、108都市39カ国で展開するタイムアウト。ここでは海外のタイムアウトの記事を日本語で紹介するウェブサイト、アラウンド ザ ワールドから、2019年のニューオープンや注目のレストラン、レコードショップ、珍スポットなど、ジャンルを絞り、100カ所をピックアップした。 記事末尾の特集名(例:『シンガポールのベストデザインホテル5選』)をクリックすると、さらに多くの情報がチェックできるので、気になる場所があったらあわせて見てみよう。

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