「花を持って集まろう」と呼びかけた声に500人の人々が集まった
フラワーデモのきっかけは、2019年の3月に立て続けに起こった性暴力事件に対する無罪判決への抗議。作家で活動家のラブピースクラブ代表の北原みのり、フェミニズム専門の出版社エトセトラブックス代表の松尾亜紀子が率先し、SNSで「花を持って集まろう」と呼びかけた声に、当日は約500人の人々が集まった。
今回インタビューに応じてくれたのは、ラブピースクラブスタッフの杉田ぱん、フェミニストコメディアンのあきお、イラストレーターの大島史子。フラワーデモ東京支部の主催メンバーとして1年間現場を支えた3人だ。
杉田「デモと聞いて今まで想像していたものとは、違う形で人々が集まろうとしていました。MeToo運動の動きは既にあったけれど、社会がそれをまずしっかり聞き、問題として受け止めていくことが日本ではまだあまり行われていなかった。MeTooのそばにあるべき『あなたは一人じゃない』というWithYouのスタンスを、明確に示すため集まったことが始まりです。
参加者はそれぞれ、当たり前だけど考え方も、生活も、社会的な立場も違う。ひとつだけ同じと言えることは、性暴力にNOと言うスタンスだけを共有していることです。違った人間たちだからこそ集まり、知っていくべきだと思いました」
当初は、ゲストスピーカーが語るという形式のみを想定していた。そもそも参加者が進んでマイクを取り、自分の体験談を語り出すとは考えていなかったそう。第1回目は4月上旬の寒さが残る夜にもかかわらず、ゲストの話が終わっても人々は帰ろうとしなかった。「この場で喋りたい人いますか?」の声に手を挙げた女性たちが次々にマイクを握り、自身の体験を話し始めた。
大島「自分の体験から抱えていた憤りを、話さずにはいられない人々が集まったのだということです。またゲストスピーチの方々が、具体的な性被害の判決事例や女性の貧困を背景とした性暴力、ご自身の友人やご自身に起きた体験を話してくれたことから、私も話していいのかな?というきっかけになれたのかなと」