メタ観光は、目に見えない付加情報に基づいている
メタ観光とは、従来の歴史的文脈や文化的位置付けとは異なるレイヤーに、新たな価値や魅力を見出す観光のことだ。近年ではPokémon GOや、アニメや映画の聖地について共有拡散できるInstagramなどのツールが普及したことが、新たな観光につながってきている。
メタ観光を考えたきっかけについて牧野は、「2000年初頭に外資系で働いていたが、来日する同僚や知人に目的を聞いたところ、『ロスト・イン・トランスレーション』の舞台になったパークハイアットに行きたいなど、圧倒的に映画がきっかけであることが多かった。それがとってもメタっぽいなと感じた」と、当時を振り返った。
さらに、牧野は神田須田町にある甘味処の竹むらをメタ観光の例として挙げた。もともと「揚げ饅頭の有名店」「東京都選定歴史的建造物」として知られているが、『仮面ライダー』や『ラブライブ』の舞台になり、Pokémon GOの「ポケストップ」にもなっている場所だ。
「このようにひとつの場所が、複数の意味を持つということが、大変興味深い。メタ観光は目に見えない付加情報に基づいていることと、複数の情報が存在することだと考えている。今後、これらの情報を可視化するプロジェクトを進めたい」と語った。
牧野が代表を務めるトリップアドバイザーの『