子どもたちが必要としているものを提供するために
ー2017年に来日してから、積極的にチャリティー活動を行い、困っている人を助けていますね。
マテルダ:はい、来日してから多くの慈善活動に携わっています。募金活動は、たくさんの人を集めることができればとても簡単でした。しかし、コロナ禍になってからは全てが複雑になりましたね。
大田区の児童養護施設の支援はイタリア人の知人を通して始めました。そこではカトリックの修道女たちが、もちろん国からの援助を受けながら、子どもたちの面倒を見ています。イタリアはカトリック国ですので、このようなつながりができたのです。以前は、歯ブラシや歯磨き粉、トイレットペーパー、食品、洗剤など、子どもたちが必要としているものを提供するために、たくさんの募金活動を行いました。30人もの子どもがいるので、かなりの量になると容易に想像ができると思います。
そして、初めてお弁当を届けたのは新型コロナウイルスが広まった頃でセカンド・ハーベスト・ジャパン(*1)に寄付をしました。多くの人が仕事を失い、食べ物を買えなくなってしまいましたので、週に100食まで作って寄付することを提案し、これを6週間ほど続けました。この経験があったので、澤井さんから「子ども食堂」というお話を頂いた時には、「60個なら問題ない!」と思ったのです。
(*1)食品ロスを引き取り、人々へ届ける活動を行う日本初のフードバンク
ー慈善活動は常に人生において大事なことだったのでしょうか。
マテルダ:私は恵まれていると感じているので、どこの国に行っても慈善活動を続けてきました。忘れたくないのは、たとえ世界一の国であっても、多くの問題を抱えているということです。特に今はパンデミックの影響で、全てが悪化しています。私はアブダビやイタリアにいた時も、人々を助けるために多くの団体で活動していました。
ー澤井さんに質問なのですが、千代田キワニスを始めてどのくらいになりますか。
澤井:10年です。児童養護施設で暮らす子どもたちの支援を行っています。彼らは大学や専門学校へ進学しますが、18歳になったら自立しなければなりません。コンビニや小さな書店などでアルバイトをする以外にお金を稼ぐ方法がないので、食事や住居、衣服など全ての費用を自分で用意するのはとても困難です。ですから、彼らの生活を支える活動をしています。「子ども食堂」に関しては、2021年4月から始めました。