Impact HUB Tokyo
Masakazu Tanahashi
Masakazu Tanahashi

求められるリモートワークとコミュニティービルディングが共存する場

目黒の起業家向けコワーキングスペース、インパクト ハブ トーキョーに学ぶ

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タイムアウト東京 >THINGS TO DO> 求められるリモートワークとコミュニティービルドが共存する場

テキスト:長谷川あや

コロナ禍のシェアオフィスの存在意義は大きい。目黒に拠点を置くコワーキングスペース、インパクト ハブ トーキョー(Impact HUB Tokyo)は、パンデミックの最中から今日まで、一度も閉館せずに工夫をしながら営業を続けている。

ロンドンで2005年に創設され、現在では100カ所以上で展開する世界最大規模のグローバルなつながりを持つインパクト ハブ(Impact HUB)グローバルネットワークに所属するハブ トーキョー(Hub Tokyo)は、2013年から起業家向けの会員制コワーキングスペース、インパクト ハブ トーキョーを運営。ここは、印刷工場跡地で古き良き部分は生かしながらも、IoT化やリノベーションを繰り返すことで、充実した内部コンテンツと高いデザイン性を持ち合わせた場所になっている。

代表兼共同創設者の槌屋詩野は、ロンドン在住時に「Impact HUB」というコンセプトと出合い、足繁く通い詰めた。「ロンドンだけでなく、世界10カ所以上のImpact HUBを訪れて研究しました。そして、日本でどうローカライズし、どういったコミュニティービルディングをしていくべきかを考えた上で、共同創業者のポチエ真悟と共に2013年に目黒で立ち上げたのがインパクト ハブ トーキョーです」と槌屋は語る。

起業家にとっての山小屋になりたい

ハブ トーキョーが尽力しているのは、起業家による起業家のためのコミュニティーだ。海外ではニーズがあった、インパクトを生もうと事業を始める人たちのコミュニティーという存在も、「日本にはまだなかったので、作ってみようという気持ちがありました」。インパクト ハブ トーキョーでは、コワーキングスペースを拠点に、起業家やスタートアップチーム、デザイナーやアーティスト、民間非営利団体(NPO)のリーダーなどが集まり、互いに学びや経験、悩みや失敗までも共有しながら、価値として循環する有機的なコミュニティーを展開。これまでに800人を超す人々が集い、メンバーではなくなった後もひとつのエコシステムとしてつながりを維持している。

「起業家はしばしば登山家に例えられますが、私たちは起業家にとっての山小屋になりたいと考えています。山小屋とは、過酷な登山に挑むための戦略を練る場であり、ホッと一息つける場でもあります。また、ほかの登山家とつながり、議論を重ねながら、情報交換ができる役割も兼ねています」

「人が集って成長する」ことについて研究を継続

同社では、ユーザーがオンライン上のグループ機能を利用し、さまざまなコミュニケーションを可能にしている。オンライン、オフラインともにイベントも継続的に実施しており、特にオフラインでは少人数のイベントを多数行う。

また、学びの専門家や文化人類学者のアドバイスを受けながら「人が集って成長する」ことについて研究を続けているという。

「コミュニティーがどんな効果や価値を生んでいるか、一人で学ぶよりも成長が早いと考えられている点について研究し、我々のコミュニティービルディング活動に生かしています。コミュニティーの参加者は、ここで自分を開示し、他の人と一緒に成長しようとすることに価値を見いだしてくれているように感じます。」

共に成長し合えるコミュニティーの存在は、経営者、そして組織の成長に不可欠だと同社では考えている。

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東京を離れることに抵抗は少ない

また、インパクト ハブ トーキョーではコロナ以前から社員のリモートワークを推奨しており、実際、槌屋とポチエは長野県飯綱高原で生活している。

「経営者がリモートワークをすることは次世代のチームが育つ上で必要不可欠だと考えています。経営陣が都会のリソースから離れられないと、会社そのものも、都会を基盤にした発想になりやすい。今後の世界や経済の在り方を考えると、一極集中された経営方針は時代にそぐわないと考えています」

新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、地方移住が注目されているが、「多くの方は東京に拠点を残しておきたいという思いがあるのではないでしょうか」と槌屋は続ける。

「私たちのチームでも現在移住を検討している社員がいますが、まずは6カ月程度の試験運用期間を設定し、密に相談しています。彼らは『東京を離れることに対する抵抗がかなり少ないと感じる』と言います。それは、そもそも会社や職場が『コミュニティー』だからでしょう。また、東京に自分の価値観と近い共同体がすでにあることで、地方においても自分が率先してそうした場を作る側に立つことや、地域の中で貢献したり関係性を紡いでいったりすることが、違和感なくシームレスにできるのだと思います」

2020年11月からは、遊休オフィスエリアや施設のコワーキング化を安心して迅速に実行したい経営者やコワーキング運営者に向けたコンサルティングサービスを始動させている。

インターネットの発展というテクノロジーと、「共に成長できるコミュニティー」というウェルビーイングの実現は、これからの働き方をより多様な選択肢を与えてくれそうだ。

インパクト ハブ トーキョーの詳細情報はこちら

色々な場で仕事してみる

  • Things to do

新型コロナウイルスの影響で、働き方は大きく変わった。テレワークやリモートでの勤務が推奨され、オンラインで副業を始めたという人も多い。近年、コワーキングスペースは増加しており、個人でしっかり集中できるプライベート仕様の施設や、ほかの利用者との会話が楽しめるコミュニティー型のコワーキングスペース、会議室やプリンターの貸し出しなど、ニーズに合わせたさまざまなスペースが登場している。

ここでは、都内に数ある施設の中から特に使いやすく、ドロップイン利用も可能なコワーキングスペースを紹介する。作業場所を求めて、スターバックスやネットカフェを転々としているという人はぜひチェックしてみてほしい。モダンかつプロフェッショナルな環境に身を置いてみることで、集中力も高まり創造性や生産性も高まるはずだ。

  • Things to do

約2カ月間続いたコロナウイルス感染症による緊急事態宣言下では、さまざまな企業がリモートワークを推奨した。その結果オフィスの縮小やリモート制度の導入が進み、都会の働き方は以前と比べて大きく変化したのではないだろうか。オフィス出勤を必要としないスタイルが定着しつつある今、新たにコワーキングスペースの利用を検討する人も多いはず。

本記事では、現在営業中のドロップイン可能な都内のコワーキングスペースを紹介する。外出自粛が明けたものの、在宅での作業が難しい人や新たな環境での仕事を望む人、また出先での急な作業時の際にはチェックしてみてほしい。銭湯やサウナ、シーシャなど、ユニークなオプションのスポットもある。

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  • トラベル
  • トラベル

新型コロナウイルスの流行により、リモートワークが各企業で推奨されている。在宅だと雑務に追われ、業務が進まず悩む人もいるだろう。ならば発想の転換をしてバカンス気分で滞在しながら、作業に集中できる環境にこもるワーケーションを試してはどうだろう。今だからこそ、安心安全な環境を整え、作業に集中できるサービスを提供する、リモートワークフレンドリーな宿が注目されている。ここでは、おすすめのホテルやサービスを紹介する。

  • トラベル

長崎県内にある壱岐は福岡からフェリーで一時間でたどり着ける離島だ。直径17キロメートルの小さな島だが、実はその中に150の神社があり、京都でも有名な月讀神社の総本山があるパワースポットである。

湾内の小島にある神社や希少な『壱岐牛』を使った絶品グルメを堪能しつつ、日本一イルカと触れ合える施設や神社内のカフェなどユニークな場所でリモートワークに取り組めば、創造的な仕事ができるだろう。土〜月曜で壱岐の魅力を満喫できる遊び7割、仕事3割の2泊3日で過ごすワーケーション旅行を紹介しよう。

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