Tokyo National Stadium, Olympics Stadium
Photo: F11photo/Dreamstime
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東京オリンピック、パラリンピックにまつわる11のこと

開催まで半年を切った東京オリンピック、パラリンピックに向けて、基本情報をおさらい。

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1964年に開催された『東京オリンピック』では、日本はアジア初の夏季オリンピック、パラリンピック開催国として、戦争で荒廃した国から先進的国へと国のイメージを一新させた。1972年の札幌と1998年の長野冬季オリンピックで聖火を再び灯し、今年開催される東京2020で日本は、アジアで夏季オリンピックを2回開催する唯一の国となる。

世界各地から膨大な数の訪問者がやってくるだろうこの夏に向けて、日本政府は渋谷区の都市開発や山手線の新駅増設、各地に外国語案内を追加するなどのさまざまなプロジェクトに取り組んできた。

206カ国から選出されたアスリートや代表者たちが登場する2020年7月24日金・祝)の開会式まで、半年をきり、東京は世界からますます注目を集めている。4000万人余りの人が開催時期に東京を訪れるとされているが、この数には圧倒されず、スマートに東京2020を楽しんでほしい。

基本情報

東京2020の開催期間は2020年7月24日(金)〜8月9日(日)の間で、33種目の競技が競われる。大会の幕開けとなる開会式は7月24日に開催。サッカーとソフトボールの試合は、開会式前の7月22日(水)から始まる。パラリンピックは8月25日(火)から9月5日(土)までの期間に開催、22競技が実地される。

東京2020の特徴

東京2020では、日本ならではの文化である「おもてなし」をテーマに、訪れるゲストたちを丁寧にサポートする。来場者が困っているときは、日本人、外国人のボランティアがナビゲートしてくれるので安心だ。また、オフィシャルキャラクターのロボットが、会場以外での試合放送、セキュリティーのアシストなども行うなど、人をサポートするロボットの活躍や開発にも注目が集まっている。

試合会場

大会会場はヘリテッジと東京ベイの2つのゾーンに分けられている。1964年と同じ会場を使うヘリテッジゾーンはオリンピックスタジアム(元日産スタジアム)と代々木国立競技場、東京ベイゾーンは有明体操競技場やお台場海浜公園などの東京湾近辺が会場になる。アスリートたちが滞在する選手村は、この2つのゾーンのちょうど間の月島に設置される。月島は、東京名物のもんじゃ焼きが食べられる居酒屋が点在していることでもよく知られるエリアだ。

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サステナビリティ

表彰台やユニフォーム、メダル、聖火リレートーチなどは自然環境を考慮し、再生原料の素材を使用。選手村の部屋にあるベッドは、五輪閉幕後には紙製品として再利用される。

東京以外にも会場はある?

会場は、周辺の埼玉、神奈川、千葉でも開催される。サッカーは五カ所(北海道、茨城、宮城、埼玉、東京)で、セーリングやサーフィンなどの水上競技は神奈川や千葉の海岸での開催が決まっている。

自転車競技のロードレースのコースは3県(神奈川、山梨、静岡)にまたがり、ゴールは富士山の近くに設置される。猛暑と、アスリートへの負担が心配されていたマラソンと競歩は、札幌で開催することが決まった。

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今回新しく追加された種目は?

新しく、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、空手が新競技として採用された。2008年に除外となった野球(男子)とソフトボール(女子)も復活し、競われる。

観戦チケットは高額?

チケット価格は2,020円から30万円までと異なるが、平均は8,000円前後。国外在住者は公式チケット販売サイト(ATR)から購入することができる。

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まだチケットは買える?

2019年に、日本国内の在住者向けに行われた抽選でチケットの一部が販売された。残りのチケットは4月28日(火)~5月7日(木)に店頭販売が行われると、大会組織委員会が発表した。応募は1人1枚までで、はがきによる抽選。国内、国外在住者ともに先着順で購入することができる。また国外在住者は、自国で指定されているATRサイトを通してチケットを購入することも可能だ。

チケットがない場合はどこで観戦できる?

抽選に外れてしまった、という人のために30カ所のライブ中継会場を各地に設置している。会場は入場無料で、生中継の試合を観戦できるだけでなく、売店や特別イベント、ライブパフォーマンスなども楽しむことができる。

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宿泊するのに最適なエリア

オリンピックを見に初めて東京を訪れるという外国人や、地方から訪れるという人に特におすすめしたい宿泊スポットは、都営大江戸線沿いの地域だ。この路線はオリンピックスタジアム、東京体育館、両国国技館と選手村をつなぐだけでなく、東京ベイゾーンがあるお台場へのアクセスも簡単にできる(汐留駅乗り換え)。

汐留駅からゆりかもめに乗って行けるのは、有明駅(体操、テニス、バレーボール、自転車競技)、テレコムセンター駅(馬術、カヌー、ボート競技)、台場駅(ビーチバレーボール)、そしてお台場海浜公園駅(水上競技)など。お台場には、 デジタルアート・ミュージアムであるチームラボボーダーレス、巨大ガンダムロボット、屋内遊園地やショッピングモールなどのアトラクションも多くある。

大江戸線は、築地市場、上野の博物館や昔ながらの御徒町商店街、六本木のクラブや歌舞伎町などの観光名所へ行くのにも便利な路線だ。

開催期間中は、東京都心のホテルや宿泊施設が満室だったり、高額だったりする可能性が高い。池袋や横浜など電車の乗り換えが便利な街に宿泊することも、視野に入れておくといいだろう。

そのほか、ジブリ博物館と井の頭公園がある吉祥寺、カウンターカルチャーの中心でパブリックアートや古着屋などがある高円寺などの中央線沿線からは、新宿まで一本でたどり着くことができる。

アクセシビリティ

東京都やその他の組織と連携して、国際オリンピック委員会にも承認されている「Tokyo2020アクセシビリティガイドライン」を作成した。車椅子を必要とする人のためのスロープや、バリアフリーのあるホテルなども完備し、耳の不自由な人には誘導ループシステムやFMループ、赤外線センサー、字幕、手話通訳、同時解説などのサービスを提供。

また、視力に障がいがある人のために、点字や大きな字体での表示も行う。会場で働くスタッフやボランティアは、障がい者に対するマナーに関する研修を受ける予定だ。詳しくは公式アクセシビリティ・ガイドブックを見てほしい。

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スタジアムでのルール

ソーシャルメディアで写真の共有は可能だが、配信目的の動画や音声は禁止されている。また、高温による脱水症状を防ぐため、会場にノンアルコールの飲料ボトル1本まで持ち込みが許可されている。それ以外でも猛暑が予想されるため、屋外観戦の場合は体調管理を十分にしておこう。

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