1. けやき坂通り
    Photo: Time Out Tokyo
  2. 国立新美術館で5年ぶりの自主企画展「遠距離現在  Universal / Remote」
    Photo: Kisa Toyoshima(遠距離現在 Universal / Remote)エヴァン・ロス「あなたが生まれてから」(2023年)
  3. 逆境から生まれた切り紙絵「マティス 自由なフォルム」展が開幕
    Photo: Naomi Installation view of 'Fleurs et Fruits' (1952-53) © Succession H. Matisse
  4. 0%
    Photo: Kisa Toyoshima
  5. サロン ド テ ロンド
    Photo: Kisa Toyoshima

春の六本木でアート散歩を楽しむ5のこと

注目のアート展、桜まつり、美しいカフェ・バーなど

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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タイムアウト東京 > Things To Do >春の六本木でアート散歩を楽しむ5のこと

森美術館」や「国立新美術館」といったミュージアムやギャラリーが集結しているほか、パブリックアートなど、六本木はアート好きには欠かせない街の一つだ。

さらに春は、「けやき通り」などを中心に、桜が咲き誇り、「六本木ヒルズ」や「東京ミッドタウン」などの建築との美しいランドスケープを作り出す。 ここでは六本木で今注目のアート展から桜まつり、カフェやレストラン・バーまで、春に行きたい最高の六本木スポットを紹介する。

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1. 注目のアート展をハシゴする。

  • アート
  • 乃木坂

20世紀最大の巨匠の一人、アンリ・マティス(Henri Matisse)が晩年に手がけた切り紙絵に焦点を当てた企画展が、六本木・乃木坂の「国立新美術館」で開催されている。マティスが後半生を過ごしたフランスのニースにある「マティス美術館」が所蔵する資料、約150点を紹介する。

本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される、4×8メートルもの大作「花と果実」をはじめ、絵画、彫刻、版画、テキスタイルなどの作品を展示する。

大病を患い車椅子の生活となったマティスが、試行錯誤の末にたどり着いたのが、筆とカンバスの代わりに「はさみでデッサンする」切り紙絵の手法だった。自由自在に色と形を生み出し、キャリアの絶頂期を迎えたマティスの傑作を存分に楽しみたい。

  • アート
  • 乃木坂

資本と情報が世界規模で移動する現代の状況を踏まえて造語された「遠距離現在 Universal / Remote」をタイトルに掲げた本展は、3年に及んだコロナ禍のパンデミックをきっかけに、社会の在り方や暮らし、仕事などさまざまな事象を8人と1組の作家が手がけた現代美術作品を通して考察する企画展だ。

「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」という2つのテーマから展示は展開される。前者では、人流を抑制するために国家権力が強化され、監視システムも容認されたにもかかわらず、加速度をつけて移動する経済資本や情報への問題意識を表現した作品群を紹介。井田大介の映像作品や、トレヴァー・パグレン(Trevor Paglen)の写真などを展示する。

後者では、オンラインで個人と個人が結びつき、家から出ずに国境を超えることが当たり前となった今、非接触を前提に遠隔化される個人の働き方や住まいについて表現した作品を展示。都市に存在する孤独を写真で表現したティナ・エングホフ(Tina Enghoff)や、ネットインフラを支える人々を写したチャ・ジェミン(차재민)、エヴァン・ロス(Evan Roth)のインスタレーションなどから考えていく。

2つのテーマを横断して展開する、地主麻衣子の映像作品にも注目だ。

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  • アート
  • 六本木

ドイツ初のアーバンアートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art(MUCA)」のコレクション展が、大分と京都での巡回展を経て、ついに六本木の「森アーツセンターギャラリー」で開催される。

アーバンアートとは、壁や建物、道路や橋など公共の場所に描かれるグラフィティやポスター、ステンシルアートやモザイクアートなどのことを指す。本展では、バンクシー(Banksy)、カウズ(KAWS)、バリー・マッギー(Barry McGee)ら10人の作家にフォーカス。日本初公開の作品を含む約70点が展示される。

ポップアートからニューリアリズムまで、1200点もの作品をコレクションしてきたクリスチャン(Christian Utz)とステファニー・ウッツ(Stephanie Utz)夫妻が2016年に設立したMUCA。多様な作品を通して、都市環境の中の芸術、抽象絵画、社会・政治問題など、さまざまなテーマに思いを巡らせてみてほしい。

  • アート
  • 六本木

「わたし」をテーマに、約40年にわたって制作を続ける芸術家、森村泰昌の個展「楽しい五重人格」が「シュウゴアーツ」で開催。写真家・映像作家・文筆家・舞台の演者など、森村の中に存在する多種多様な人格から生まれ出る作品を紹介する。

本展に出品されるのは最新作と未発表作、近作で、相互に関係性を持たない5つのセクション(=五重人格)から構成されている。作品の中には森村が扮装した「甲斐 庄楠音」「ナポレオン」「ミロの絵画」「カフカ」、そして「魯迅」など14点を鑑賞できる。

作品の中でも現実の世界でも、多様な役割をこなしている森村だが、統一感が欠如し散乱していることと、異なるキャラクターや価値が存在していることをむしろ肯定している。「お定まりのアイデンティティーに収斂(しゅうれん)されること」を回避したいという作家の意図を至近距離で感じられる展覧会となるだろう。

アートの自由さを感じに訪れてみては。

2. パブリックアートを巡る。

  • ショッピング
  • 六本木

東京でも著名な野外彫刻の一つに、「六本木ヒルズ」にある「ママン」がある。フランス出身の彫刻家、ルイーズ・ブルジョワが制作したもので、高さ10.23メートルにおよぶクモの姿は圧巻。

作品名はフランス語で「母親」を意味し、胴体に大理石の卵を入れた袋を抱えている。このクモには姉妹もおり、カナダ国立美術館やスペインのグッゲンハイム美術館、ロンドンのテートモダン、ソウルのサムスン美術館リウムなどで見ることができる。

  • ミュージアム
  • 六本木

六本木ヒルズの南側、六本木ヒルズレジデンスに隣接した場所にある公園。通称「ロボロボ園」とも呼ばれている。

公園には韓国人アーティスト、チェ・ジョンファのデザインによる、色とりどりの滑り台が10台、ロボット型のスプリング遊具、ロボットタワーが設置。ロボットタワーには「かつて子供だった大人の人たちにも楽しんでもらいたい」というメッセージが込められている。

3. 桜の坂をゆっくりと歩く。

  • レストラン
  • ベイカリー・パン屋
  • 六本木

テイクアウトフードに最適なのは、六本木にあるオアシス「ブリコラージュ」だ。ここは、シェフとパン職人、コーヒー焙煎(ばいせん)士のコラボレーションによるベーカリーカフェ。

東京のレストラン「レフェルヴェソンス」のオーナーシェフである生江史伸、大阪の有名ベーカリー「ル・シュクレ・クール」の岩永歩、「フグレン コーヒー ロースターズ」の小島健二の3人で経営している。 食材は北海道、滋賀、愛媛、千葉などの農家から直接仕入れたものを使用。

パンは、伝統的なフランスのブーランジェリースタイルに日本風のアレンジを加えたもの。クラシックな製法で作ったバタークリームを挟んだ「ヴィエノワ クレーム オ ブール」、上品な粒あんとザクザクのクルミがごろっと入った「くるみあんバター」などが並ぶ。

看板商品「ブリコラージュ ブレッド」は、粉と水、酵母と塩というシンプルな素材のパンだが、粉のうま味や香りが口いっぱいに広がるだろう。

4. 空中のカフェで憩う。

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店
  • 乃木坂

国立新美術館」の2階にあるティーサロン。黒川紀章の近代的な設計が特徴で、約64席の客席が巨大な逆円すいの最上部に広がっており、空中にいるような気分が味わえる。展覧会を観賞した後、ひと息つくのに最適な空間だ。人気メニューは「ケーキセット」。皿にケーキが美しく盛られており、視覚でも楽しめる。

展覧会ごとにコラボレーションしたメニューも展開する。ケーキやマカロンなどのスイーツのほか、サンドイッチやスープなどの軽食を提供。ドリンクは紅茶やコーヒー、ワインなどのアルコール類も取り扱う。

「サーモン&クリームチーズ シリアルローフサンドイッチ」は、クリームチーズがサーモンとよく合う。美術館を見渡せる店内から、開放感を感じながら優雅な時間を過ごそう。

5. スペーシーにモクテルを味わう。

  • バー
  • 六本木

「飲まなくても酔える」バーとして、モーニングドリンクから楽しめる新感覚の完全ノンアルコールバー。アートコンプレックスビル、ANBトーキョーの1階に位置し、「宇宙にできた最初のバー」をコンセプトに、アーティストのYOSHIROTTEN率いるヤール(YAR)がアートディレクションと内装を手がけた。

メニューはスモークを閉じ込めたバブルを弾いて楽しむ、パイナップルとジャスミンティーを合わせたカクテル「アイスランドバブル」などのほか、ケサディーヤやブラウニーなど全てビーガン向けに対応している。

洗練された宇宙空間を背景にモクテルを楽しもう。

もっと東京でアートを楽しむなら......

  • アート

東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。2月から3月にかけては、日本最大級の国際的なアートイベント「アートフェア東京」や、3年1度の都市型芸術祭「横浜トリエンナーレ」、ニッチを極めた「専用すぎる腕時計展」、国立西洋美術館初の現代美術展など注目の展示が目白押し。ぜひチェックしてほしい。

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

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