英国ナショナル・シアター:ニコラス・ハイトナー演出『一人の男と二人の主人』
60年代のイギリスで起こる愉快なドタバタコメディー
クオリティーの高い舞台を次々に送り出している英国ナショナル・シアター。近年「ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)」と称して、ライブビューイングにも力を入れており、日本でも新作を映画館で見ることができる。
そのNTLiveが、感染症対策で引きこもる私たちのため、毎週木曜日のイギリス現地時間19時に1作ずつ、映像を無料配信してくれることになった(1週間視聴可能)。その第1弾、リチャード・ビーン作、ニコラス・ハイトナー演出の『一人の男と二人の主人』が、4月3日(金)から4月9日(木)まで配信されている。本作は、18世紀のイタリアの作家カルロ・ゴルドーニの戯曲『二人の主人を一度にもつと』を下敷きにしたドタバタコメディーだ。
舞台は1960年、イギリス南東部の街。地元のギャングと、悪名高い犯罪者の両方に、いわば「二股」をかけて雇われているフランシス。そのことがばれないよう必死で立ち回る彼だったが……。ジェイムズ・コーデン演じるフランシスの、愛嬌たっぷりにその場しのぎを繰り返す様に大爆笑必至だ。劇中、衝撃の客いじりまで行うコーデンは、この役でトニー賞最優秀主演男優賞を受賞。このほか、まるで60年代の映画を見ているような気持ちにさせられる美術や衣装、所々に入るバンドの演奏など、楽しみどころ満載となっている。
英語がさほど分からなくても愉快さは伝わるが、苦手な人にうれしいのは、YouTube上で再生スピードが変えられること。それぞれ自分のペースでじっくり味わおう。
なお、ナショナル・シアターでは今後、『ジェーン・エア』2020年4月9日(木)〜16日(木)、『宝島』4月16日(木)〜23日(木)、『十二夜』4月23日(木)〜30日(木)を配信予定。
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