ワイン、ジャケ買いのススメ

フジマル 浅草橋で選ぶ、パンクやアンビエントなワイン

Mari Hiratsuka
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タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル > ワイン、ジャケ買いのススメ

監修:フジマル 浅草橋店 齋藤

※2020年4月7日からオンラインソムリエのサービスが開始。公式オンラインストアでもワインは購入できる。

ワインをエチケットで選ぶのは、レコードをジャケ買いするのと似た楽しさがある。造り手が表現した「ジャケ(エチケット)」によって奏でる味に特徴が出ており、2人の作り手によるワインのミックスや、パンクやアンビエント的な味わいのものなど、どれもユニークだ。

シャブリなどブランドを背負うワインは、エチケットに表示すべき事項が定められているため、ある程度デザインに縛りがあるのだが、従来の枠にとらわれない、より自然なワイン造りを目指すインディペンデントなワイン農家が2000年代頃から増加。彼らは独自のエチケットでワインを表現してきた。

独創的でパンチある味わいのものから、摘みたてのブドウの味わいをぎゅっと閉じ込めたフレッシュな味わいなものまでその特徴は様々。

ここでは、ジャケで選びたいワインを11本紹介する。セレクトは、常時1000種類以上のワインをそろえるショップを併設したダイナー、フジマル 浅草橋店の店長、齋藤によるもの。ギフトや手土産にもぴったりなワインはジャケで選んでみては。

女性醸造家による一本

『ワンダー ・ウーマンヌ(ロゼ スパークリング)ドメーヌ  オトゥール・ド・ランヌ

産地:フランス・ロワール   

品種:サンソー、シラー、グルナッシュ

南フランスのブドウを買い、ロワールでワインを造る女性醸造家アンヌ・パイエによるもの。エチケットの「ワンダー・ウーマンヌ」はパワーとユーモアあふれる彼女自身を表現している。ジューシーな果実味あふれる一本だ。

2人のワインをミックス

『ビム ロゼ』/アド・ヴィヌム&ヴァランタン・ヴァルス

産地:フランス

品種:クレレット、グルナッシュ、マカブー、ユニ・ブランほか


今をときめく南フランスの自然派ワインの造り手、アド・ヴィヌムとヴァランタン・ヴァルス。その2人のワインをミックスした、破天荒な一本。弾けるような果実味とちょっと癖のある香り。ジャケの文字からも感じ取れるように、何もかもが
ぶっ飛んでいる。

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トロピカルで温かい

『インスティンクティヴ(白)』/ラフュ


産地:フランス・ロワール 

品種:ソーヴィニヨン・ブラン

このワインのブドウ品種を飲んで当てられたら大したもの。ロワール のソーヴィニヨンとは思えないトロピカルで温かさ感じる味わいは、常識にとらわれない自然派ならではだ。

学者肌で自然派なワイン

『シャルメ(赤)』/ロクタヴァン 

産地:フランス・ジュラ 

品種:ガメイ、シャルドネ

2006年、シャルル・ダガンとアリス・ブヴォのカップルがアルボワに設立したドメーヌ(現在はアリスのみ)。バイオダイナミック農法でブドウの栽培をしており、自然派ワインならではの自由な発想のもと、ワイン造りをしている。写真のワインは、黒ブドウと白ブドウを混ぜた一本。造り手のアリスは、最新の醸造学を学んだ学者肌だ。

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ブドウのうま味

『フェマン(赤)』レグラッピーユ

産地:フランス・オーヴェルニュ 

品種:ガメイ・ドーヴェルニュ

街にあるグラフィティのようなジャケが印象的な一本。フレッシュなフランボワーズやイチヂクのような果実味と出汁(だし)のようなうま味が楽しめる。自然派ワインならではの体に染み入るようなおいしさ。

土製のかめで仕込む

『アンフォラ甲州(オレンジ)』グレープ・リパブリック

産地:日本・山形 

品種:甲州

鮮やかなグラフィックと日本らしさを意識したエチケットが目に留まる山形に新たな風を吹き込むワイナリーによる一本。『アンフォラ甲州(オレンジ)』は、「アンフォラ」と呼ばれる土製のかめで仕込んだワイン。アンフォラのかすかに空気を通す特性により、複雑味のある味わいに仕上がっている

タイムアウト東京のワイン好き外国人スタッフも愛する一本。

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ぶっ飛び爽快系

『ジャンピン・ジュース ハーフ・フル・レッド(赤)』/パトリック・サリヴァン

産地:オーストリア 

品種:ピノノワール、ピノグリ、カベルネフラン

やんちゃなパトリック・サリヴァンが造る、むき出しの感情が伝わってくる一本。そのまま食べてもおいしい果物を飲んでいるような感覚。飲めばぶっ飛ぶ(ジャンピン)ほど爽快で気持ち良い飲み心地のワイン。

スルスル呑める心地よさ

『キンデリ・ビアンコ(白)』/アレックス・クレイグヘッド 

産地:ニュージーランド 

品種:ソーヴィニヨン・ブラン

日本のグレープ・リパブリックの醸造に携わったこともあるアレックス・クレイグヘッドのワイン。オレンジやタイムにサリエットといったハーブも感じられ、ジュースのようにスルスル飲める心地よさ。

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みんなでワイワイ

『フィンス・アルス・クイヨンス(ロゼ)』/フィンカパレーラ

産地:スペイン 

品種:スモイ、ガルナッチャ、チャレッロ

グビグビ飲める1リットルサイズ。ベリー系のフルーティーな果実味弾けるロゼだ。みんなでワイワイ、回しながらラッパ飲みしたくなる。

ぐるぐる

『コスタディラ 280sim(白スパークリング)』コスタディラ

産地:イタリア・ヴェネト 

品種:グレラ、ビアンケット、ヴェルティーゾ

「ぐるぐる」とエチケットに書いてあるが、実はイタリアのワイン。1980年代にドイツのヒッピーコミュニティーに買い取られ放置されていた畑を再生した、エルネスト・カッテルが営む小さな蔵元で生産されているブドウの皮由来のほろ苦さと、力強い果実の香りが特徴のスパークリング。うま味たっぷりで飲めば食欲わく味わい。

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古代ジョージアの技術

『サペラヴィ(赤)』/ドレミ

産地:ジョージア 

品種:サペラヴィ

2013年に、ギョルギ、マムカとガブリエルの3人の友人によって設立されたドレミワイン。古代ジョージアの技術を使って最高級のナチュラルワインを作成することを目標とする彼らの、ジョージアを代表する黒ブドウで造られた一本。甘酸っぱい果実味と山ブドウのような素朴で自然を感じるニュアンス。

  • 馬喰町
浅草橋駅から徒歩5分ほどの場所にある、ワインショップを併設したレストラン。スタンディングでサクッとワインを飲んだり、テーブル席でのんびり料理を堪能することもできるカジュアルな雰囲気の店だ。「ワインをもっと自由に!」をコンセプトにしており、旬の食材やその時の仕入れで変わるメニュー、豊富なワインが楽しめる。前菜では、トロっとした半熟卵にアンチョビ入りマヨネーズをかけた『ウフマヨ』(300円)が人気。ぜひ味わってほしいのは、キジ科の「ほろほろ鳥」のレバーやモモ、ササミなどの部位を使用した『ほろほろ鳥のソテーとセバチコ』。柔らかくジューシーな肉の味わいと香り高いセルバチコとのマッチが抜群の一皿だ。 世界のワイン約1000種がそろうワインショップには、眺めているだけでも楽しいアートなラベルのワインなどもあるので、贈り物にもおすすめ。

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