東京、アンティークカフェ5選

1900年前後にベルギーやドイツ、オランダなどで使用された無垢（むく）で風合いの良い家具をメインに取り扱うセレクトショップ「アンノルム（annorum）」が、2023年同店2階にカフェをオープン。窓から優しくさし込む陽光が左官仕上げの手塗りの白壁を照らし、レトロな照明やブロカントが心地よい雰囲気を生み出している。

カフェに配される家具は全てアンティークで、気に入れば購入することもできる。スイーツを監修するのは同じ浅草にある人気天然酵母パン店「粉花」。丁寧に淹（い）れられたコーヒーや紅茶などとともに、フランス伝統菓子「ファーブルトン」やほのかな甘みが魅力の「スコーン」を味わいたい。

2024年2月、浅草橋のおかず横丁そばにオープンしたカフェ併設の古道具店。長屋をリノベーションし、1階が古道具や作家ものの器などを販売するスペース、2階がカフェスペースとなっている。

木製棚などの大きめサイズのものから、ガラス瓶や古びたクリップ、アクセサリーなどの小さなアイテムが所狭しと並んでおり宝探し気分が楽しめる。店主がセレクトした家具や雑貨が並ぶカフェスペースには、喧騒（けんそう）とは無縁の穏やかな時間が流れる。

プリンや旬のフルーツを使用したケーキなどの自家製スイーツも評判だが、「ベジタブルスパイスカレー」もおすすめだ。タマネギをじっくり炒め、5種類のオリジナルスパイスを加えて煮込まれたカレーは、肉類を加えていないとは思えない濃厚なうまみとコクが堪能できる。

2024年3月にオープンし、空間の素晴らしさから早くも注目を集めるコーヒーショップ。約200年前の古材でできた扉を開けると、中には2階建ての広々とした空間が広がる。

重厚な木製カウンターや大理石でできたテーブル、インド製タイルなどが醸し出す高級感と、パントンチェアなどのモダン家具が生み出す軽やかさが絶妙に調和。おしゃれだが気軽に利用できるような心地よさがある。

コーヒーを抽出するのは、都内でもまだ希少なキースファンデルウェステン製のエスプレッソマシンだ。デザイン性も高くコーヒーを淹れるバリスタの手技が映える。フードは、アメリカにルーツを持つ店長レブランクが手がけるアメリカンな焼き菓子や、パレスホテルから仕入れるパンを使用したサンドイッチがメインとなっている。 

世界各国で収集された絵画や彫刻、年代物の看板など、数えきれないほどのアート作品が店内を埋め尽くすコーヒーショップ。地下1階から3階と屋上が客席となっており、各階ごとに趣が異なる。

店名のマーメイド（人魚）に象徴されるように、東洋と西洋、アンティークと現代など、異なるカテゴリーのものが渾然一体に融合されている。国や時代、文化を超越したミックスカルチャーの世界観が体験できる空間だ。

東京を中心に3店舗を展開しており、新鮮な商品を提供するため焙煎（ばいせん）は各店舗ごとに行う。2種類のオリジナルブレンドと8種類のシングルオリジンを取り揃えており、店頭で全てのコーヒーが試飲できる。シナモンやクローブなど5種類のスパイスを漬け込んだクラフトコーラとコーヒーを合わせた「クラフトコーラコーヒー」もおすすめである。

ニューヨークのストリート系ファッションブランドのオーナーでインフルエンサーの山田ミウが、2024年7月池尻にオープンしたカフェ。2階建ての広々とした空間には店内65席、テラスに18席を用意している。

内装のコンセプトは、数多くのアーティストやクリエーターが暮らすソーホーにある女の子のアトリエだ。訪れた人が想像力を膨らませたり、興味を掘り下げられるような、クリエーティビティを刺激する空間を目指す。

アメリカンカルチャーを愛する山田が提供する料理やスイーツは、いずれもボリュームたっぷりで味わいも本場を意識。1階にある姉妹店「ベストベーグル（BEST BAGEL）」で焼き上げるニューヨークベーグルを使用したプレートメニューも人気である。