広尾と麻布十番の中間にある、2016年にオープンしたバー、フェリーズ(FERRI'S)。オーナーは、日本メスカル協会会長でもあるフェリー・カデム。同店をオープンする前はアガヴェ(AGAVE)の店長を13年以上務め、バーヒカラのプロデュースも手がけた人物だ。メキシカンハットが飾られた、真っ赤な店内は洒落た雰囲気。アルコール類は、メキシコで買い付けたレアなメスカルとテキーラをそろえ、その数は300種類以上。そのほかクラフトジンやウイスキー、メキシカンフードも楽しめる。メスカルを楽しめるバーとして外国人からの人気も高く、にぎわっている。
近年、本国メキシコやアメリカでブームになっているメキシコの伝統的な酒「メスカル」。日本ではまだまだ知名度が低いが、世界中の人々に愛される酒だ。今回、麻布十番にあるバー スパイキュール(Bar Spicule)のオーナーで、メスカル公認資格を持ったメスカレロでもあるTETSUに都内でおすすめのメスカルバーを教えてもらった。
メスカルとは、テキーラの母とも言われるメキシコの蒸留酒のことを指す。原料はテキーラと同じくアガヴェという植物なのだが、メスカルの方が使用できる品種や製造できる州が多く、産地や製造方法によって味わいも異なる。500年以上続く伝統的な原料や手法で作られており、すべてがクラフトでありナチュラルな酒のため、二日酔いもせず健康的に楽しめるのも魅力のひとつ。スモーキーなフレーバーもまた魅力で、ストレートでゆっくりと味わうことが多い。アルコール度数は強いが、とてもまろやかな飲み口で酔いの回り方もまろやか、食事にも合うという優秀さだ。ワインや日本酒にも通ずるその奥深い世界を覗いてみよう。