「消えた小説」のあらすじ、現状との類似性
物語を手短に説明すると、舞台は地球とよく似たとある星。時代は1990年代後半のような世界が描かれている。秘密裏に世界を操る支配者たちが人類を管理するための計画を実行に移すのだが、その手段がパンデミックだった。支配者たちによって仕組まれた検査により人類はふるいにかけられ、陽性者は収容所へと送られることになる。
パンデミックにより大勢の人が命を落とし続けている状況を受け、デジタル墓石が開発される。ここには助かる見込みがない人の脳の情報が格納され、デジタル空間で生き続けることを可能とするもの。墓地に並べられた墓石群は互いにコミュニケーションを取り始め、一つの大きなサイバー空間が出現する。
メディアもこれを「かっこいいトレンド」として紹介し、同様の選択をする人が激増し、結果的に支配者層を除いたほとんどの人間がデジタル空間へと移行してしまうというものだ。