1. 「恋人たちのクリスマス」/マライア・キャリー
クリスマスになると、この曲がなかなか耳から離れないという人は多いだろう。特に2003年に公開された映画「ラブ・アクチュアリー」で使われてからは、毎年ホリデーシーズンの到来を確実に感じさせる曲になったといえる。
しかし、信じられないことに1995年に発表されたこの曲は、ポップシンガーによる新鮮味のないホリデーアルバムに収録された、単なるキャッチーなクリスマスソングとして扱われ、その後は忘れられた時期もあった。その後、2000年代初はじめから徐々に人気を集め、2019年にはついにアメリカのチャートでトップに、2020年にはイギリスのチャートでも首位に立ったのだ。
クリスマスの時期になると、パブで暇を持て余した人たちがどこにへ行っても「恋人たちのクリスマス」がかかっていることについて文句を言い、格好の小ネタにしているが、それだけでこの曲を語るのは損失だといえる。きらびやかなイントロからマライアの力強い歌唱まで、この曲の全ては時代を超越し、完璧なのだから。