ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965
ル・コルビュジエ 《奇妙な鳥と牡牛》 1957年、 大成建設株式会社蔵
ル・コルビュジエ 《奇妙な鳥と牡牛》 1957年、 大成建設株式会社蔵

東京、1月に行くべきアート展5選

ル・コルビュジエや古代エジプト、宮脇綾子、今津景まで

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2025年1月に東京で行くべきアート展をお届け。「パナソニック汐留美術館」のル・コルビュジエの絵画芸術にスポットを当てる日本初の展覧会のほか、「森アーツセンターギャラリー」でのえりすぐりの古代エジプト美術が集結する展示など、見逃せない展覧会を紹介する。新たな年に新たな作品世界に出合おう。

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  • アート
  • 初台

「東京オペラシティ アートギャラリー」で、近年国内外で注目を浴びる今津景の大規模個展が開催。拠点にするインドネシアと日本という2つの土地での経験と思考に基づく絵画、新作インスタレーション、骨格標本や土器などの巨大な彫刻を展示する。

今津は、メディアから採取した画像を加工・構成し、その下図を元にキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作する。インドネシアに移住してからは、その土地で経験したさまざまな事柄、都市開発や環境問題に関するイメージが画面に配置されている。同時に、インドネシアの歴史や神話、生態系など複数の時間軸を重ね合わせ、より普遍性を持つ作品へと発展させている。

環境問題、神話、歴史、政治といった要素が同一平面上に並置される絵画は、膨大なイメージや情報が彼女の身体を通過することで生み出されるダイナミックな表現だ。唯一無二の今津の作品世界を堪能してほしい。

  • アート
  • 汐留

「パナソニック汐留美術館」で、「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」がル・コルビュジエ財団の協力のもと開催。ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887〜1965年)の、40代以降の絵画芸術にスポットを当てる日本初の展覧会だ。 


近代建築の巨匠として知られているコルビュジエは、視覚芸術の他分野においても革新をもたらした。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーを展示。併せて後期の建築作品も紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたコルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにする。

洗練された空間の会場構成は、気鋭の建築コレクティブであるウルトラスタジオによるもの。コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネート」「トランジション」をキーワードに、居住空間の中に置かれた諸芸術の総合をイメージした。

また、ゲストキュレーターのドイツ人美術史家、ロバート・ヴォイチュツケ(Robert Woitschützke)による講演会が、2025年1月12日(日)に行われる。これまでにない新鮮な視点のキュレーションから、コルビュジエの創造の源泉に迫る。見逃さないように。

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  • アート
  • 丸の内

「東京ステーションギャラリー」で、「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」が開催。布と紙で美しく親しみやすい作品を作り続けた宮脇綾子(1905〜1995年)を、一人の優れた造形作家として捉え、宮脇の芸術に新たな光を当てる。

「アプリケ」「コラージュ」「手芸」などに分類されてきた宮脇の作品は、いずれの枠にも収まりきらない豊かな世界を作り上げている。野菜や魚など、主婦として毎日目にしていたものをモチーフにし、それらを徹底的に観察。時には割って断面をさらし、分解して構造を確かめた。

生み出された作品は、造形的に優れているだけでなく、高いデザイン性と繊細な色彩感覚に支えられ、命の輝きを見事に表現している。

約150点の作品と資料が集結する本展。写実性を持ちながら、自由で大胆な宮脇の作品世界を楽しんでほしい。

  • アート
  • 六本木

六本木の「森アーツセンターギャラリー」で、「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が開催。米国最大規模の質の高い古代エジプト美術コレクションから、えりすぐりの名品群が集結する。

彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間のミイラ2体やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、高度な文化を創出した人々の営みを解明する。当時の住居環境や仕事事情、出産や子育てなどにも着目し、身近な謎を掘り起こす。

また、美しい副葬品や神々の姿を表したレリーフなどの葬送儀礼に関する作品を紹介し、古代エジプト人の死生観に迫る。さらに、いま注目を集める気鋭のエジプト考古学者・河江肖剰(かわえ・ゆきのり)による最新研究を元に、巨大ピラミッドの建築方法や建てられた当初の姿も解き明かしていく。

知への好奇心を呼び覚ます空間、謎に満ちた古代エジプトの世界を探求しよう。なお、前売券は2025年1月24日(金)23時59分まで販売する。

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  • アート
  • 六本木

六本木「泉屋博古館東京」で、「花器のある風景」展が開催。さまざまな年代の花器と花器が描かれた絵画を紹介する。



見どころは、日本画家の椿椿山(つばき・ちんざん)や梅原龍三郎などによる、華やかでおめでたい絵画群だ。また、室町時代の茶人、松本珠報(まつもと・しゅほう)が所持したとされる『砂張舟形釣花入 銘松本船』や、江戸時代の茶人、小堀遠州ゆかりの『古銅象耳花入 銘キネナリ』など、住友コレクションの茶の湯の名品花入も集結する。

さらに、華道家・大郷理明(おおごう・りめい)から寄贈された新規収蔵品94点の花器を一挙公開。また、江戸時代の発展を経て日本独自の美を確立していった近代の花器も並ぶ。

デザイン性に富む花器の世界をのぞいてほしい。

2025年のアート情報と言えば……

  • アート

2025年に東京都内で開催される注目のアート展を特集。「東京オペラシティ アートギャラリー」の今津景の大規模個展、「森アーツセンターギャラリー」の古代エジプト展、「東京都美術館」でのミロ展、「TOKYO NODE」でのデザインを体感する「デザインあ展neo」、「森美術館」での藤本壮介の建築展など、さまざまなジャンルから厳選してセレクトした。

この記事を参考に、2025年の行きたいものリストを充実させてほしい。

  • アート

地域やエリアの特色を生かしながら、国内外の先駆的なアートやパフォーマンスが一気に集結する芸術祭。ここでは、2025年に開催予定の全国各地の芸術祭を厳選して紹介したい。

初開催の「東京お台場トリエンナーレ」や「千葉国際芸術祭」のほか、瀬戸内の島々を舞台に繰り広げられる「瀬戸内国際芸術祭」や、「大阪・関西万博」を機に開催する「大阪関西国際芸術祭」など、来年の芸術祭巡りの参考にしてほしい。

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