BorrowedLandscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展
画像提供:©CHANEL展示風景

東京、6月に行くべき無料のアート展7選

清澄白河、青山、中目黒のギャラリーや美術館で楽しむ

Hisato Hayashi
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タイムアウト東京 > カルチャー > 東京、6月に行くべき無料のアート展7選

アートにあふれる街、東京。本記事では雨の週末にも出かけたくなる無料のアートイベントを紹介する。

東京現代美術間」で開催中の、国内中堅アーティストを対象とした現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」受賞者であるサエボーグと津田道子による個展や、アメリカの映画監督でアーティスト、作家のミランダ・ジュライ(Miranda July)による都内初開催の個展「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」をはじめ、入場無料で楽しめるギャラリーや美術館の展示を揃えた。

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  • アート
  • 代官山

代官山の「ヒルサイドフォーラム」で、現代アートと日本酒にフォーカスを当てたユニークなイベントが開催される。

主催するのは、コンテンポラリーアートを中心に、幅広い分野の美術作品を扱うオークション事業などを手がけるSBIアートオークション。本イベントでは、若手醸造家が集まる日本酒イベントとして注目を浴びる「Sakejump(若手の夜明け)」とコラボレーションし、新進気鋭の酒蔵による日本酒を提供する。

アーティストはいずれもSBIアートオークションの7月セールに出品予定の作品ばかり。ぜひ、アーティストが育った土地で生まれた日本酒を味わいながら、その土地が持つ文化の豊かさや広がりに思いを馳せてみてほしい。

なお、オークションへの参加方法は公式ウェブサイトを確認してほしい。イベントへの入場も事前登録が必要になるので注意してほしい(申込締切は6月28日)。

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  • アート
  • 早稲田

越路吹雪(こしじ・ふぶき、1924~80年)は、宝塚歌劇団のトップスターとして活躍し、退団後は「シャンソンの女王」と呼ばれた伝説のスターだ。その生誕100年を記念した企画展が、東京・新宿の「早稲田大学演劇博物館」で開催されている。

越路は宝塚時代からおしゃれに関心が高く、1953年に初めての海外旅行でフランスを訪れ、パリの舞台やファッションに刺激を受けた。後年に開催していた自身のリサイタルでは「イヴ・サンローラン」のオートクチュールドレスを着こなすなど、憧れの存在であり続けた。本展では、彼女の舞台衣装やアクセサリー、愛用した香水などとともに、当時の映像やポスターなどの資料も展示されている。

1928年に開館した「早稲田大学演劇博物館」は、100万点にもおよぶ国内外の演劇・映像コレクションを所蔵する、非常に珍しく貴重なミュージアムだ。早稲田大学の構内にあり、誰でも訪れることができる。

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  • アート
  • 乃木坂

建築家の魚谷繁礼による展覧会が開催。京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに、魚谷が手がけた都市と建築に関する実施プロジェクトについて紹介する。

魚谷は、歴史的街並みが消滅の危機にある京都で、町家だけでなく路地や地割りなどの建築遺構を継承する活動を続けている。例えば「コンテナ町家」は、長屋の一角を鉄骨フレームで覆いコンテナユニットと組み合わせ、路地を残しつつも現代的なニーズに応えた。

多様な手法と現代的な技術を用いて歴史性や地域性に編み込むことで、生きた都市遺構として次の100年に継承し豊かな未来を作ることに注力している。さらに本展では、京都・五條地域で取り壊されることとなった「お茶屋建築」の軸組を、東京・乃木坂に移設して展示。変わりゆく京の街並みのように、別所で再構築することの優位性について来場者とともに考えていく。

  • アート
  • 池尻大橋

女性である自分の体と向き合い作品を制作し、そして2013年からはラブホテルについてリサーチ・撮影・実践の3つの視点から、あらゆる表現方法で展開しているアーティスト、石原もも子による「SEX Momoko Ishihara あなたの選ばれたお部屋はこちらです Exhibition」が開催する。

「こんな世知辛い時代にあえてムードあるセックスを楽しんでほしい!」という石原。ただラブホテルで撮影された写真作品を展示するだけではなく、今や急速に失われつつある愛の空間としての華美な部屋を舞台に、恋人たちがどのようにセックスまでたどり着けるのかというストーリーを構想し、制作している。

同展は、「Baton of SEX」「ROOM」「痕跡」、さらに石原自身が男女ともに演じる「四十八手」という4つのカテゴリーを中心に、往年のセックスカウンセラーさながらに指南する石原の文章を展示するインスタレーションだ。

2024年6月29日(土)、7月6日(土)、13日(土)の19時には、ぞれぞれ「Opening Party」「Middle Party」「Closing Party」が行われる。また、架空のラブホテル、「HOTEL STONE」の中にある「SNACK NEW STONE」として、7月5日(金)と11日(木)の19時からは、ヴェニューの心地よい音楽を楽しみながら、ゆったりと話せる場を設ける。

※開催時間の詳細はSNSを確認

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  • アート
  • 青山

「プラダ 青山店」で、アメリカの映画監督でアーティスト、作家でもあるミランダ・ジュライ(Miranda July)の都内初開催の個展「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」か行われている。

最新作「F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)」は、大型のモニターを使用したマルチチャンネルビデオインスタレーション。ジュライからInstagramを介して与えられる一連のプロンプトに、7人の見知らぬ相手が返信したリアクション動画、ジュライが無料編集アプリ使って取り込んで完成させた

1年にもわたるコミュニケーションを経て完成し本作は、新しい身体言語を通じて、親密さと境界線を模索するユニークな作品と言える。

なお、ミラノにあるプラダ財団の展示スペース「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」でも、ジュライの個展「Miranda July: New Society」が2024年10月14日(月)まで開催中だ。

※11~20時/入場は無料

  • アート
  • 多摩地域

ハンセン病療養所「国立療養所多磨全生園」における絵画活動を通史で紹介する初めての展覧会。 1923年に第一区府県立全生病院(現・多磨全生園)で行われた「第壱回絵画会」を筆頭に、戦時中に結成された絵画サークル「絵の会」の活動など、111点の絵画作品(文献含め231点)を紹介する。

さらに戦後、東京都美術館で開催された美術団体展に入選した描き手の作品も公開。 ハンセン病患者・回復者に対する強制隔離という苦難の状況において、絵画活動は描き手と社会をつなぐものになっていた。彼らは絵を通じて、何を感じ、何を思っていたのか、想いを馳せられる貴重な場だ。

2024年5月5日(日)には、アーティストの青柳菜摘による朗読会、6月1日(土)には静岡県立美術館館長の木下直之を招いての講演会も開催される。

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  • アート
  • 清澄

海外での展開も含め、さらなる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とした、トーキョーアーツアンドスペースと東京都が主催する現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」。第4回の受賞者であるサエボーグと津田道子による個展が、「東京都現代美術館」で開催される。

両者は「身体」を一つの起点として、作品制作と身体表現の実践を行き来することで、その独自の表現を発展させてきた。隣り合う2つの展覧会は、制作に対する関心もアプローチも大きく異なり、それぞれが独立したものでありながら、展示室内での鑑賞者のふるまいが作品の一部となるという共通点を持つ。

鑑賞を通じて自身に向き合うことで、動物を含む他者との関係性や、社会的に期待された役割などに目を向けることにもなるだろう。

初日の2024年3月30日(土)には、作家らと選考委員が参加するアーティストトーク(要事前申込・先着順・無料)が行われるほか、会期中には展示空間と鑑賞者の身体を架橋する体験につながるようなパフォーマンスなども開催予定だ。

  • アート
  • 銀座

シャネル銀座ビルディングの4階に位置する「シャネルネクサスホール」で、先駆的な作品で注目を集める中国の現代アーティスト、フェイイ・ウェン(Feiyi Wen)と、パン・カー(Peng Ke)の展覧会を開催する。

両者とも1990年代の中国で生まれ、海外で学んだ経験を持ち、現在はウェンがロンドン在住、カーは北米と中国を拠点に活動している。写真をベースにさまざまなメディアや手法で作品を発表してきた2人だが、今回はそれぞれの活動において重要な新作を発表する。

本展は、シャネルのグローバルアドバイザリーであり、北京にある「UCCA 現代アートセンター」のディレクター兼最高経営責任者(CEO)のフィリップ・ティナリ(Philip Tinari)によるキュレーション。2024年でオープン20周年を迎えた同会場は、今後もアジア各国のアーティストの写真展を開催予定とのことで、注目したい。

※11~19時(入場は18時30分まで)/料金は無料

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  • アート

6月から7月にかけては、20世紀を代表するイタリアの巨匠であるジョルジョ・デ・キリコの過去最大規模、国内外の現代美術界において書への注目度が年々高まる中、長年にわたり書の美を追求してきた書家・石川九楊の大規模個展、世界20カ国から72のギャラリーが参加する国際アートフェア「Tokyo Gendai」、津田淳子や大島依提亜らが参加し、印刷表現の可能性を探る展覧会など注目の展示が目白押し。ぜひチェックしてほしい。

  • トラベル

野外アートミュージアムでの芸術鑑賞は、まるで宝探しのようだ。庭園や森の中を散策しながら自然に溶け込んだアート作品を見つけていくのは、わくわくするし開放感もある。岩場や池の中など広大なスペースに展示された作品は、アーティストたちの創造力をダイナミックに広げ、美術館とは違った楽しみ方を提供してくれる。また公園のような役割もあり、子ども連れにもぴったりだ。

ここでは、アートと四季の移ろいを同時に体感することができる屋外アートミュージアムや、博物館を紹介。足を運んだら時間は気にせず、広々とした敷地内に点在するアート作品を眺めながらのんびりと過ごそう。たくさん歩けるよう、履き慣れた靴で行くといい。

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  • アート

近年、美術館や博物館の入館料が上がりつつある。有料ならば確かにすばらしい体験ができると分かっていても、やはり無料で良い作品を見たいもの。

そのような需要に応えてくれるような美術館やギャラリーが東京には一定数ある。今回セレクトするのは、質の高い国内外の作家を紹介する「資生堂ギャラリー」や明治期洋画の重鎮、黒田清輝の作品を展示する「黒田記念館」から、「目黒寄生虫館」や「おりがみ会館」といった変わり種まで16館だ。

開館時間が変更になっている場合もあるので、事前に公式ウェブサイトを確認してから訪れてほしい。

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

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  • Things to do
横浜市が文化芸術の持つ創造性を生かしたまちづくり「クリエイティブシティ・ヨコハマ」を始めて、2024年で20年。今年は3年に1度の現代アートの国際展「第8回横浜トリエンナーレ」や国内外のギャラリーが集まる世界水準の国際アートフェア「Tokyo Gendai」が開催される。

これに併せて、横浜に集まったアーティストやクリエーターが企画する多様なプログラムが街中に広がる。ここでは、そんなアートで盛り上がる横浜の注目スポットやアートイベントを紹介しよう。

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