TECTA MIT MARUNOUCHI -バウハウスとテクタの名作家具展-
画像提供:ACTUS
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東京、3月に行くべき無料のアート展9選

バウハウスの家具やブックデザイン、阪神・淡路大震災30年企画展、渋谷のストリートに焦点を当てた展示など

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アートにあふれる街、東京。ここでは無料のアートイベントを紹介する。

「銀座メゾンエルメス フォーラム」での、マリー・ローランサンや津田道子らによるグループ展や、休館中の「Bunkamura」館内での渋谷の街とストリートに焦点を当てた展示やイベントをはじめ、入場無料で楽しめるアート展を揃えた。気軽に立ち寄ってほしい。

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  • アート
  • 銀座

「銀座メゾンエルメス フォーラム」で、グループ展「スペクトラムスペクトラム」が開催。エマニュエル・カステラン(Emmanuelle Castellan)、題府基之、川端健太郎、マリー・ローランサン(Marie Laurencin)、ヨハネス・ナーゲル(Johannes Nagel)、ヴァルター・スウェネン(Walter Swennen)、津田道子が参加する。



タイトルの「スペクトラム」とは、ドイツ語表記によるスペクトル「Spectrum」で、物理的な現象の分布や、光学や音響に用いられるスペクトルなどの範囲を表す。同時に、亡霊や幻視といった超自然的な存在など、広い射程とグラデーションを持つ言葉だ。 


本展では、スペクトラムという言葉に含有される振れ幅や共鳴を鏡のような道具として用いながら、展覧会を一つの小説のように捉える。



切り込みのあるキャンバスに人物像を描くカステランは、舞台や映画のセットのような空間を披露。セラミックを用いるナ―ゲルは、鮮明な発色や、非対称、不調和、表面の粗さや滑らかさを放つつぼで異なる次元を掘り出し、スウェネンの絵画は謎めいた暗号を投げかける。

それぞれの作品が不可避に関わり合い、映し合う中で、スペクトラムは反復し、その姿や幻影を現わしていくだろう。


  • アート
  • 六本木

「タカ・イシイギャラリー 六本木」で、内藤礼の個展「breath」が開かれる。本展は「タカ・イシイギャラリー 京橋」で、202531日(土)~ 29日(土)でも同時開催される。

「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」を一貫したテーマとした作品を手がける内藤。本展の制作中、内藤は白い画面を「母型」空間として感じるようになったという。その気づきは、画面に色を置くことで、そこにある大気や光があらわになる絵画作品を支える根であり、画面では内藤の空間作品と同質の現象が生起しているように感じられる。

限りなくとりどりの色彩で成り立っているこの世界で、多様な形態と次元を持ち、それぞれの内と外へと行き渡る生と息吹に心を浸透させる、内藤による空間を感じてほしい。

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  • アート
  • 渋谷

休館中の「Bunkamura」館内を使ったアートプログラムが今年も開催。「渋谷ファッションウイーク2025春」との共催企画として、渋谷の街とストリートに焦点を当てた展示やイベントを展開する。

渋谷は、大型商業施設だけでなく、個性豊かな路面店がひしめき合い、アート、ファッション、音楽など、最新のカルチャートレンドを生み出しながら独自の街文化を形成してきた。今回、街・ストリートを再検証することで、そこにあるべき未来の姿の表出を試みる。

出展アーティストには、SIDE CORE、河野未彩ら国内外で活躍する現代アーティストを迎え、それぞれの視点でテーマをひも解いた新作インスタレーションを展示。また、会期中は、アオイヤマダによるパフォーマンスやトークイベントなどの関連イベントも開かれる。

この期間だけの特別なアートを楽しんでほしい。

  • アート
  • 神楽坂

神楽坂のギャラリー「エイトエイコ(eitoeiko)」で、明石雄、大洲大作、岡本光博、木村了子、久保沙絵子による企画展「サーティーラブ」が開催。1995年の阪神・淡路大震災から30年を機に、近畿圏に縁のある作家が当時を回顧するコメントとともに、作品を発表する。

30-0を「サーティーラブ」と言い習わすテニスの世界。本展は、「さまざまな災害のたびに被災者へのケアが足りていない状況は『ゼロ』であるかもしれないが、せめて同点に、ラブをオールに近づけるべく」という思いの下、発表。今回、作品売上の30%は日本赤十字社に寄付される。

なお、火〜土曜日以外の日時に訪問の場合は、同ギャラリーに連絡が必要だ。見逃さないように。

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  • アート
  • 丸の内

19191933年のわずか14年間という短い期間でありながら、現在の建築・工業デザインの礎を築き、いまもなお影響を与えるドイツの芸術学校「バウハウス」。バウハウスに魅了され、家具を通じてバウハウスのデザイン哲学を現代に継承する希少なブランド「TECTA(テクタ)」の企画展が、「アクタス 丸の内店」で開かれる。

TECTAは、1972年のブランド創立以来、ヴァルター・グロピウス(Walter Gropius)やマルセル・ブロイヤー(Marcel Breuer)のチェアなど、バウハウスを代表する数々の名作家具を復刻している。

本展では、約100年の時を経ても色あせることなく考え抜かれた機能性を持ち、現在もTECTAが作り続けるバウハウスのオリジナル家具11点と、その思想を現代の解釈でデザインした同ブランドの家具が大集合。また、実際に座って五感で体感しながら、TECTAが歩んできた軌跡を知る。

現代の空間にもマッチするバウハウスのプロダクトの世界をのぞいてほしい。

  • アート
  • 銀座

銀座の「イッセイ ミヤケ ギンザ | キューブ(ISSEY MIYAKE GINZA | CUBE)」で、「IM MEN」による展示「一枚の布、一本の線」が開かれる。

展覧会を手がけたのは、デザインによる新しい概念の創出と具現化を行うデザインスタジオのTAKT PROJECT。広く世界を俯瞰(ふかん)して静かに自己の声に耳を澄まし、手を動かし感じながら作る事で、ロジカルな思考だけでは到達できない仮説を構想する「新しい知性」としてのデザインを企てる。

本展では、「一枚の布、一本の線」というコンセプトのもと、IM MENが提案する新たな日常を、彼らの視点を通して表現している。会場だけに広がるIM MENの衣服・ものづくりの世界を体感してほしい。

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  • アート
  • 丸の内

「グッドデザイン丸の内(GOOD DESIGN Marunouchi)」で、展覧会「視点の拡張譜-未来に響くデザインの記録」が開かれる。

複雑化する社会課題の解決や、社会全体にポジティブな変化をもたらすため、新しい視点や手法が求められているデザインの世界。そこでは、イノベーションやブレイクスルーを生むための多様なアプローチが試みられている。

本展では、新たな資源や素材の発見、それらの特性を生かした製作プロセス、循環を意識した使用方法や、持続可能な社会を支える仕組み、さらにはコミュニティーとの協働によって生まれたデザインの事例を取り上げる。

また、これらのアプローチが生まれた背景や、それを可能にした社会的・技術的要因についても掘り下げる。未来へ向けて、どのような可能性が広がっているのかを探ってほしい。

  • アート
  • 銀座

「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」で、中国の豊かな出版文化の歴史を再発見し、新たなブックデザインの道を切り開いたパイオニア、呂敬人が登場。現代中国の多様な造本文化の基礎ともなったの書藝を、日本で大々的に紹介する初の展覧会だ。

ブックデザイナーという独立した職種が中国でまだ確立されていなかった時代、は、本の内容から全体を構築していく「ブックデザイン(書籍設計)」に開眼。自国の豊かな伝統文化を研究しながら、独自の方法論を確立した。

本展では、宋代の拓本を原寸大復刻した『朱熹榜書千字文』や、全長10メートルの巻物10巻を納めた『絵図五百羅漢詳解』など、目を見張る豪華本全8点をダイナミックに展開。また、京劇やお茶、篆刻(てんこく)などの中国の豊かな芸術文化、生活にまつわる多彩な書物を、による丁寧な解説とともに紹介する。

「中国芸術の核心に迫る精緻なブックデザイン」の世界を体感してほしい。

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  • アート
  • 銀座

「ポーラ ミュージアム アネックス」で、若手アーティスト6人によるグループ展が開催。ポーラ美術振興財団の若手芸術家の在外研修に対する助成事業において、過去に研修を修了したアーティストを紹介する。

前期展「軌跡(ルーツ)を辿る」では、鎌田友介、武田竜真、スクリプカリウ落合安奈らの作品を展示。さまざまな文化的背景を持つアーティストが自身の内面や感情、価値観などを掘り起こし、表現の原点を見いだしていく。

後期展「マテリアルの可能性」では、入江早耶、安西剛、多田佳那子の作品が登場。素材の特性を深く理解することで、その魅力を引き出しながら、ユニークな表現創出を追求している。

また、会期中の2025年3月7日(金)〜9日(日)に開催される「アートフェア東京」にも出展・販売を予定している。今気鋭のアーティスト作品を見逃さないように。

アート情報と言えば……

  • アート

2025年に東京都内で開催される注目のアート展を特集。「東京オペラシティ アートギャラリー」の今津景の大規模個展、「森アーツセンターギャラリー」の古代エジプト展、「東京都美術館」でのミロ展、「TOKYO NODE」でのデザインを体感する「デザインあ展neo」、「森美術館」での藤本壮介の建築展など、さまざまなジャンルから厳選してセレクトした。

この記事を参考に、2025年の行きたいものリストを充実させてほしい。

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