同芸術祭は牡鹿半島に点在する4エリアおよび島1エリアを含め7つのエリアに分かれている。JR石巻駅から徒歩圏内にあるのは「駅前エリア」と「市街地エリア」の2つだ。まずは宗教学者の中沢新一がキュレーターを務める「駅前エリア」を紹介しよう。といっても主要な参加アーティストはシンガポール出身のザイ・クーニンただ一人。自身をアーティストではなくシャーマンだというザイは、2016年の日本初個展にも「黒潮」を意味するマレー語のタイトルを付けていた。海流で結ばれた南方から、宗教学者がシャーマンを招くというストーリーは、同芸術祭としても座りのいいものだろう。
タイムアウト東京 > THINGS TO DO > リボーンアート・フェスティバルでしかできない15のこと
宮城県石巻市を舞台にした芸術祭『Reborn-Art Festival 2019』が、いよいよ8月3日(土)に開幕する。2017年に引き続き2回目の開催となる今回は、実行委員長であるミュージシャンの小林武史をはじめ、7組のキュレーターがそれぞれのエリアを担当し、統一のテーマである「いのちのてざわり」を表現する。
2011年3月11日に発生した地震に端を発する東日本大震災は、原発事故など人災としての側面も小さくないが、震源から近い石巻市は特に津波による被害が凄まじく、行方不明者も含めた犠牲者数では本震災最多といわれている。その復興を目的として始まった同芸術祭は、必然的に死生観や自然観といった諸問題が主として作品化されていた。
それゆえか過酷な自然環境での鑑賞が強いられる展示も多く、アクセシビリティー面の困難さも無視できない。そこで、タイムアウト東京では「これだけは」というものを15に絞り、TO DO形式で紹介する。同芸術祭に関心を持つ向きの一助となれば幸いだ。なお、作品のボリュームというよりは交通の便が理由で1泊2日では少しハードな印象。後述するナイトプログラム『夜側のできごと』が開催されている日を選んで2泊するのもアリかもしれない。いくつかの展示はスキップするなど無理のないペースで、熱中症対策や虫よけ、日焼け止めなどの諸準備はくれぐれも抜かりなく。