太鼓谷稲成神社
Photo:Mari Hiratsuka
Photo:Mari Hiratsuka

石見でしかできない10のこと

石見銀山、津和野今昔、雪舟庭園など文化と歴史が残る石見を歩く

Mari Hiratsuka
広告

タイムアウト東京 > トラベル > 石見でしかできない10のこと

島根県西部「石見地域」は、日本の歴史や伝統が感じられる素朴な街だ。この特集では、民泊から、2007年に世界遺産となった石見銀山周辺エリア、豊かな自然に恵まれ、日本海の幸が楽しめる石見の食などを紹介する。秋には、豊作を祝う伝統芸能である「石見神楽」も神社などで盛んに行われるので、チャンスがあればこの季節に足を運んでみてほしい。

1. 地元の人々と交流する。

しまね田舎ツーリズム
地元の人々との交流を通して農林漁業体験やその地域の自然や文化、生活に触れることができる民泊をサポートする『しまね田舎ツーリズム』。田舎の暮らしが体験できる場所のひとつとして、柿木村の山奥で自給自足を目指す女性が暮らす古民家に訪問した。彼女は、Iターンを望む人たちのサポートをしたいと思い、このプロジェクトに参加したそうだ。草木と温泉水を使用した草木染めや付近で収穫した野草の調理、農作業などを家主とともに体験できる。

しまね田舎ツーリズムの詳しい情報はこちら

2. 津和野百景図を歩く。

津和野今昔

城下町としての歴史と文化が残る、島根県西部にある津和野町。2015年に有形、無形の文化財をつなぎ、ひとつのストーリーとして紹介する日本遺産に『津和野今昔~百景図を歩く~』が登録された。『津和野百景図』は、今から150年前に藩主のそばに仕えた栗本里治が津和野藩内の景勝地、文化、習俗を100枚の絵図にまとめたもの。そのなかには、黒頭巾に白はちまきという独特の盆踊り「津和野踊り」や、稲荷神社の一社で、奉納された約1000本の鳥居が印象的な「太鼓谷稲成神社」などが描かれており、往時の面影を伝える町並みや風習の数々は半数以上が今も残っているという。百景図と現在の風景を見比べながら街歩きを楽しむのもいいだろう。また、津和野は森鷗外が10歳まで住んでいた地でもあり、旧宅が現存している。

津和野百景の詳しい情報はこちら
広告

3. 源氏巻は食べ比べする。

源氏巻

津和野の銘菓である源氏巻は、餡をきつね色に焼いたカステラのような薄い生地に包んだ長方形の菓子。源氏巻を販売する和菓子屋は、町内に9店舗あり、店ごとに味や口に入れたときの感触、甘さが違う。食べ比べしてお気に入りの一軒を見つけてほしい。

4. 世界遺産は外さない。

石見銀山
アジアではじめて鉱山遺跡として登録された石見銀山。銀の坑道のみならず、銀採掘を支えた町並みや積出港として栄えた温泉街も世界遺産に登録されている。石見銀山領の中心地である、赤瓦と土壁の家が軒を連ねる大森町は、伝統的な町並みが残る町だ。なかでも、古民家を改装したカフェ「群言堂」や、ドイツでマイスターの称号を得た日高晃作が経営するパン屋「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」などは立ち寄ってほしい店のひとつで、伝統的な町のモダンな部分を見ることができる。2016年9月からスタートした着物レンタルサービス『着物でぶらり。』を利用して情緒溢れる街をのんびりと散歩してみるのもいいだろう。

石見銀山の詳しい情報はこちら

広告

5. ミステリアスな地下空間を探検する。

福光石石切り場
古風な温泉街がある、温泉津から車で約5分ほどの場所にある福光石石切り場は、室町時代から400年以上続く現役の採石場だ。石見銀山の五百羅漢座像などの石仏や墓石には、この福光石が用いられている。滑りにくいのが特徴で、温泉浴場の床タイルに使われたり、受験のお守りグッズとしても販売されている。ひんやりとした採石場で冒険家気分を味わおう。見学はガイドの付き添いが必要となり、要予約(5名1,500円、1名からも見学可能)。

福光石石切り場の詳しい情報はこちら

6. 美肌の湯に浸かる。

旭温泉
別名美肌の湯と呼ばれる旭温泉。泉質の良好なサラサラとした湯は、隠れ湯としての評判も高い。この湯を楽しめる宿のひとつ「かくれの里 ゆかり」では、露天風呂、低温スチームサウナ、ジェット風呂、泡風呂を備えるほか、露天風呂付きの客室もある。また、今年から旭温泉の湯を使用したすっぽんの養殖がスタートし、かくれの里 ゆかりではすっぽん料理が食べられる。美肌のフルコースを堪能してほしい。

かくれの里 ゆかりの詳しい情報はこちら

広告

7. 荒ぶる大蛇を捕まえる。

石見神楽
日本最古の芸能「神楽」は、神社の祭礼などで見受けられる歌舞だ。石見でも、豊作、豊漁を祝う秋祭りの前夜祭として、夜通し舞われてきた。演目は、『古事記』や『日本書紀』を原典とする約30種にのぼり、石見神楽は、花火を使用するなど派手でエンターテインメント性が高いのが特徴だ。なお、浜田市の三宮神社などでは、『夜神楽』の公演が行われており土曜日の夜に500円で鑑賞できる。スケジュールなどの詳しい情報は公式サイトで確認してほしい。

石見神楽についての詳しい情報はこちら

8. 魚介を食べ尽くす。

神楽めし
石見のご当地グルメである神楽めしは、日本海の魚介が乗った「えびす丼」、ブランド牛が乗った「オロチ丼」、特産品、郷土料理をアレンジした「大黒めし」の総称である。今回、新鮮な魚介のみを使用した『海鮮丼』(えびす丼)を、田吾作で食べた。田吾作は、益田駅から徒歩10分ほどの場所にある、日本一の居酒屋と評されたこともある居酒屋。味と鮮度に定評があり、この『海鮮丼』は日によって刺身の具材が変わる。料理の味はもちろん、古民家の佇まいや店主の温かいもてなしに、ホッと一息落ち着ける場所だ。

田吾作の詳しい情報はこちら

広告

9. 石州瓦を眺める。

グラントワ
芸術文化拠点として、美術品の展示や音楽、演劇の公演などが行われる複合施設であるグラントワ。屋根と壁、合わせて約28万枚の石州瓦で覆われている外観が特徴的だ。この石州瓦は、日本三大瓦のひとつで、石見の風景を彩る伝統的な赤瓦。雪や雨に強く、頑丈で、近年ではロシアに輸出されている。また、グラントワは、外部のみならず内部のデザインも素晴らしく、大ホールの幾何学的なデザインは必見だ。建物のデザインは建築家の内藤廣が手がけた。

グラントワの詳しい情報はこちら

10. 庭で宇宙を観る。

萬福寺(雪舟庭園)
雪舟最期の地として知られている益田市の萬福寺にある雪舟庭園は、雪舟60歳のときの作品である。雪舟が求めた、禅の世界の宇宙観を表しているというこの庭の前に立てば、日常では感じられない不思議な感覚に浸ることができるだろう。

萬福寺の詳細はこちら

隠岐に旅立つ…

  • トラベル
隠岐でしかできない10のこと
隠岐でしかできない10のこと

島根半島の北方、日本海に浮かぶ隠岐は、4つの大きな島と、他の約180の小島からなる諸島。円形で最も大きな島を「島後」と、西ノ島、中ノ島(海士町)、知夫里島(知夫村)の3島を「島前」と呼ぶ。ダイナミックな侵食地形と離島独特の文化や歴史、生態系を持ち、世界的に価値のある地質や地形を含む地域として、ユネスコ世界ジオパークに認定されていることでも有名だ。今回は、ローソク島、国賀海岸、乳房杉など、自然豊かな隠岐を10のトピックスで紹介。物に溢れたせわしない都会を抜け出して、美しい隠岐へ旅立とう。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告