飾らない本物のジャズ・スポットとしては、これ以上のものはないかもしれない。阿佐ヶ谷で30年以上営業を続けるマンハッタンは、このエリアでも初期に現われたジャズバーの一つ。現在、数多くのジャズバーが立ち並び、大規模なジャズフェスティバルが催されるなど、東京の「ジャズの中心地」とも呼ばれる阿佐ヶ谷において、ジャズバーの先駆者的存在だ。
店を訪ねれば、その狭さに驚くかもしれない。スペースの都合上、ステージはドアの真ん前に設置されているため、ひとたび演奏が始まれば、パフォーマンスを中断することなくして中に入ることはできない。窮屈な空間に初めは戸惑うかもしれないが、心配は無用。オーナーのモチヅキの温かさと、素晴らしいミュージシャンたちの気さくな人柄に触れれば、すぐにくつろぐことができるだろう。バーの壁に貼ってある絵葉書や写真からは、東京のジャズの歴史を学ぶことができる。
演奏は通常1晩に2回行われ、ドアの外側の通知版でチェックできる。