都会の中の静寂
ーメディーチャの音楽を手がけるに至ったのは、どういった経緯があったのでしょうか。
オーナーの長嶋さんと山脇さんがメディーチャのための音楽を探していたときに、私の音楽を聞いてくださり、オファーをいただきました。その後、打ち合わせをし、コンセプトに大変共感したので、コラボレーションすることになりました。
ーメディーチャはそれぞれ異なるタイプの4部屋でメディテーションを体験するという特殊な構造ですが、このコンセプトについてはどんな印象を持ちましたか。
以前から「都会の中の静寂」をテーマにいろいろと考えてきました。メディーチャの話が来た時、都会で生きる人間の心と身体のニーズに寄り添うコンセプトに深く共感しました。
社会や医療でも、人間をパーツで考えてしまう傾向がありますが、人は自然の一部として相互接続的なのです。体と感情、精神と心は独立されたパートではなく全て繋がっている。常に情報交換をしています。
彼女たちが想像していたメディーチャは同様に、人の全体全心、そしてその五感をコンセプトとしていたので、大変興味深いと思いました。また4部屋(エントランスなどを含むと5部屋ですが)は全て一つの体験として繋がっており、美しい流れが演出されています。音楽家としてアルバムの流れや構成を作るのと似ていると思いました。