浅草という土地柄もあり、国内外からの客でいつもにぎわう「風流お好み焼き 染太郎」。天井の低い座敷や木枠のガラス戸、長年の煙ですすけた壁が醸し出す風情は、昭和初期にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせる。
奥の部屋に飾られているのは、江戸川乱歩や開高健、荒木経惟ら、同店を愛した著名人の色紙。多くの文化人が通った店として知られているが、中でも、屋号の名付け親である高見順と、死去する前前日まで訪れていた坂口安吾は常連中の常連。 彼らの作品の中にも染太郎は登場しており、その愛着が伺える。
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