新丸ビルのレストランフロア6階にある、四川料理の専門店。四川豆花(シセントウファ)と読み、シンガポールに本店がある。化学調味料不使用、強烈な辛味が舌にびりびり響きつつも、最後に深いうまみや甘みも感じる「麻辣(マーラー)味」の料理、『麻婆豆腐』『四川豆花タンタン麺』『車海老の四川チリソース炒め』『重慶よだれ鶏』(ゆで鶏に辛味と薬味を加えたタレをかけた四川地方の伝統料理)などを提供。
また全てのメニューに合わせて、体の調子を整える『八宝茶』も出している。ジャスミン茶にクコの実やナツメ、氷砂糖といった8種の素材が配合された甘い薬膳茶で、これが辛い料理を食べた後に、口の中と体の熱をさっと鎮めてくれて実にバランスがいい。四川省で国家資格を取得した茶藝師(ちゃげいし)が八宝茶のブレンドを季節ごとに考案しているが、彼らが客席で、ダイナミックに茶を注ぐパフォーマンスも目を引く。
辛い料理だけでなく、点心やスープ、『五目チャーハン』『海老と青菜の焼きそば』『鶏肉入り五穀粥』のようなマイルドな味わいのメニューも多数ある。ランチ、ディナーともに辛いものと適宜組み合わせたコースが人気で、ホテルのダイニングのような上質な店内空間とともに、40代以上のグルメな大人層に、強く支持されている。
テキスト:浅野 陽子(フードライター)