台湾の国民食「麺線」の専門店。日本ではまだ馴染みの薄い麺線は、素麺を蒸した細い麺をとろみのあるスープで煮込んだもの。具材はモツとパクチーが盛られ、麺ごとレンゲですくって食べる。現地では地方によって味付けが異なるが、この店が手本にしているのは台北の名店 阿宗麺線の麺線だ。本来は門外不出の材料も、味にほれ込んだ店主が交渉を重ね、現地からの仕入れルートを開拓した。限りなく本場に近いその味は、台湾らしい味覚を凝縮したような一杯。カツオダシの効いた優しい味わいのスープに、ふやけているのにコシを保っている不思議な食感の麺が絡まる。素朴ながらくせになる味だ。卓上の烏酢と自家製のラージャオジャンを足すと、酸味やコクが増すのでおすすめだ。
もう一品、台湾ローカルの揚げパン『銀糸巻』も必食だ。外側は香ばしく、中は太い麺状の生地が束ねられており、これまた不思議な食感。ほんのりと甘く、つまみとしてもデザートとしても食べられる。ちなみに「台湾麺線」は日本で商標登録済み。麺線は台湾の国民食だが「台湾麺線」は新橋の店舗を指す。