京橋でおいしい焼き鳥が食べたくなったら、まず伊勢廣を勧めたい。2021年に創業100周年を迎えた焼き鳥の名店だ。厳選された素材を生かし、熟練の職人が姥目樫(ウバメガシ)備長炭で焼き上げるスタイルで、鶏一羽を丸ごと使ったコース料理やレシピは、形を変えることなく今日に受け継がれている。
その根底にあるのは、初代の頃から変わらぬ「鶏肉を最もおいしい状態で食べてほしい」という思い。調味料に至るまで口に入る全ての素材を厳選し、手間を惜しまず仕込み、ベテランの職人が丁寧に焼き上げたのが「伊勢廣の焼き鳥」である。
夜のコース料理が定番人気だが、ランチタイム限定の「やきとり丼」も絶品だ。塩とワサビで味わう「笹身(ささみ)」に、最も人気がある「団子(つくね)」「もも肉」「皮身」、肝類の5本がどんと乗った5本丼は、味、ボリュームともに満足できるはず。素材を生かしきった肉のうま味に、のりの風味と甘辛いたれが合わされば、ほかほかのご飯をかき込む箸が止まらなくなる。もう少しボリュームダウンしたいのであれば、4本丼、3本丼(13時以降のみ)もおすすめ。
2020年10月に向かいにある本店ビルに移転オープンし、革新的な給排気システムを導入。基準量から1.5倍の総換気量を誇り、換気や煙が気になる人も落ち着いて味わえる。バリアフリー設備も完備されており、さらにさまざまな人が訪れることができる店へと生まれ変わった。