青山の名店、ラ ブランシュ。同地に店を構えて30年、シェフの田代和久が生み出す一皿は、日本のフレンチの代名詞と言っても過言ではない。田代の野菜へのこだわりには脱帽の一言だ。自ら畑に赴き、信頼の置ける農家から仕入れた野菜は、時にはソース代わりにもなるほど重要な役割を担う。
この店のスペシャリテ『イワシとジャガ芋の重ね焼 トリュフ風味』は、長年作り続けているメニューながら、自らの頭の中にあるパーフェクトな味に近づけるため、じゃがいもは時期ごとに何種類ものを取り寄せ選ぶという。生ベーコンで巻いたじゃがいもの滑らかな食感にイワシの香りが良く合う。アンチョビのソース、さらにイワシのポタージュが添えられ、選んだ素材を存分に味わってもらいたいという思いが感じられる。