マティーニ・バーガーは、ニューヨークっ子のエリオット・バーグマンによる店だが、生粋のニューヨーク料理を提供しながらも、店を構えるのが神楽坂というのがユニーク。以前は酒屋だったという店舗を自らデザインして改装しており、小ぎれいで洗練されたインテリアが特徴的で、一見すると洒落たバーのようだ。それもそのはず、ランチであれ、仕事帰りであれ、ウォッカベースのカクテル(770円)とバーガーを楽しめる、大人のための店をテーマに掲げているのだから。しかも、これらのカクテルにはバックバーにずらりと並ぶアブソリュートウォッカを使ったものだ。
ディナーメニューは、ステーキやミートローフ、ラザーニャにフムスと様々な料理が並ぶが、いずれもニューヨークっ子であるエリオットにとっては親しみやすい、NYらしさを前面に出したものばかり。どれにしようか迷ってしまうという人には、ランチセレクションがおすすめだ。数種のハンバーガーとサンドイッチが用意されており、いずれもニューヨークのエリアの名前を冠している。とくにおすすめしたいのは『リトル・イタリー』という、厚めのビーフパティにフレッシュモッツァレッラ、分厚いスライストマトに、鮮烈な香りの自家製ジェノヴェーゼペストを合わせたバーガー。スパイシートマトソースをたっぷり載せてかぶりつこう。
すべての料理に新鮮かつ自家製の食材を使っているが、うまいバーガーにとって欠かせない要素である牛肉にはとくにこだわりを見せる。オーストラリア産の牛肉を使っており、分厚いパティは200gというボリュームで、中心はミディアムレアの焼き上がりになるよう意識している。肉汁たっぷりのハンバーガーであるため、べとべとの手(またはシミだらけのネクタイ)にならないよう、バーガーを包むペーパーは必要不可欠。ほんのりと甘みがあってほどよい噛み応えのバンズは特注しているもので、肉汁を危険なまでに吸い込んでくれる。
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