銀座中心部の喧騒から少し離れた三原橋交差点近くにある「ナイルレストラン」は、1949年の創業時から初代A.Mナイルの作り上げた味と伝統を守り続ける、老舗のインド料理レストランだ。
訪れた客の90%以上が注文するのは、言わずと知れた店の看板メニュー「ムルギーランチ」。約7時間かけ、持ち上げるとホロホロと崩れそうなくらいにまで柔らかく煮込まれた鳥の骨付きモモ肉に、マッシュポテトとボイルしたキャベツが盛りつけられたボリューム満点の一皿だ。
そのまま食べても十分においしいはずだが、このランチは、肉と野菜、そして岩手産の米を使用したターメリックライスをぐちゃぐちゃとスプーンで混ぜて食べる。それは、全ての食材を混ぜることで、スパイスの利いた辛めのルーに野菜やご飯の甘さが溶け合い、相乗効果で味わいが増すためだ。
席へ着くやいなやムルギーランチを勧められたり、混ぜないと注意されたりと初めて訪問した客には驚くことも多いが、食べれば納得、この味と伝統に絶対の自信を持つナイルレストランだからこそのパフォーマンス。「ランチ」と名が付きながらも昼夜問わず注文することができ、夜にはムルギーランチも入ったお任せのコースメニュー(2,950円)も楽しめる。まさに、東京中を探しても類を見ない、「ここだけの味」を持つ名店だ。
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