小説『ハリーポッター』の主人公ハリーが、キングズクロス駅の9と4分の3番線から魔法の世界に行くように、浅草には幻想的かつガーリーなカフェへと続く1つの扉がある。目印は、フルタ靴店という色あせた古い看板。その下にある黄色の扉が入り口だ。ピンクの壁にだまし絵のような床、無造作に重ねられた可愛らしいカップ。まるで、おとぎ話の中に迷い込んでしまったようなこの空間は、オーナーの平野千穂が作り上げた。自分のイメージを忠実に形にするため、解体や左官など、すべてをDIYしたのだという。店を作るにあたり強く刺激を受けたのが、アイスランド出身アーティストのビョーク(Björk)の『venus as a boy』という曲のミュージックビデオ。色味は異なるものの、Bjorkがキッチンで歌いながら目玉焼きを焼いているシーンを何度も繰り返し見てインスピレーションを得たのだそう。メニューは、コーヒーやブレンドティーをはじめ、自家製のチーズケーキやスコーンなどを提供。コーヒー豆は駒込のコーヒー専門店、百塔珈琲から仕入れている。アンティークの椅子に腰掛けて、ドリンクとスイーツが運ばれてきたら準備は完了。優雅なティーパーティーを楽しもう。不定休もあるので、足を運ぶ際は事前に同店のInstagramをチェックするのがおすすめ。
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