渋谷の東急本店裏、「奥渋谷」と呼ばれる大人向けのエリアにあるビストロ。入り口は控えめだが、一歩入ると奥に長く広がる造りで42席あり、想像するよりもゆったりと過ごすことができる。
三大和牛の一つである、近江（おうみ）牛を使った炭火焼きステーキや『琵琶湖産 鮎のコンフィ カダイフ巻き』といった滋賀県産の食材を使ったメニューと、同じく滋賀県産の近江ワインを楽しめるのが特徴。近江牛はうま味が強いが口当たりは柔らかく、さっぱりした後味で食べ続けてしまう。前菜で大人気の『ダンデライオンサラダ』は、フェンネルやバジルなどのハーブや野菜の組み合わせが華やかで美しく、チーズを使った濃厚な自家製ドレッシングとの相性も抜群。
料理を担当するのは、フランスやスイスのミシュラン二つ星店で経験を積み、前職は大津プリンスホテルで料理長を務めていた山中幸夫（やまなか・ゆきお）。カウンターに座り、おいしいワインと料理とともに会話好きな山中シェフとの時間を過ごすのも楽しい。店長の杉山周（すぎやま・しゅう）の朗らかな接客も心地よい。グループ客やカップルのほか、一人で訪れる30〜40代の女性客も少なくないそうだ。
テキスト：浅野 陽子（フードライター）