シェフ中田雄介は無類のきのこ好きだ。きのこの名前を自身の代々木八幡のレストランにつけ、ほとんどの料理にきのこを使い、額縁に入れたきのこのトランプを店の壁一面に飾られたシャントレル(Les Chanterelles)。
独創的なきのこの料理で知られるフランスの地方レストランで修業しただけのことはある腕前で、国産や輸入きのこの驚くべき可能性を見せてくれる。中田が編み出した「きのこ茶」と贅沢な「フォアグラマカロン」の組み合わせは外せないし、茹でナスとロックフォールチーズのソースで食べる中田特製の「スモークサーモン」も必食だ。
メニューはないが、心配はいらない。中田がコンサルタントになり、自ら客と会話をしながら、普段の食事や食べられないもの、その日の気分などを把握して、一人一人に合った料理を提供する。中田と会話するなら8席あるカウンターに座るのがいいし、かしこまって食べたいならテーブル席も3つある。
ディナーコースは10,000円と12,000円のコースのみ。何を頼んでも、中田が何を出してきても、この店での食事はマジックマッシュルームなみに魔法がかっている。