波除神社近くにあるフレンチレストラン。カウンターのみで席数は10席という、こじんまりとした隠れ家的店だ。席に座ると、目の前にはスパイスやハーブの入った瓶がずらり。「どんな料理が味わえるのだろう……」。この光景を見ただけで、胸が高まる。
もちろん、実際に提供される料理も、その期待を上回るものだ。高級寿司店が取り扱うレベルの魚介を仕入れ、手間を惜しまず丁寧に調理。刺し身として味わうにも最高とされる食材を、スパイスやハーブを使いながら、あえて洋風にアレンジして提供するのが同店の特徴だ。
写真は、生きた状態のアワビを8時間蒸した後に焼いた『アワビステーキ』(4,800円)。8時間蒸したことで柔らかく仕上がったアワビには、アワビの肝や発酵させた山椒などを使ったソースがかけられ、うま味を後押ししている。そして、メイン料理に添えられているのは、素焼きされた旬の野菜と山菜。素材の甘みがしっかりと感じられ、メインに負けない感動的な味わいだ。ドリンクは、『スパイシーハイボール』を注文しよう。ジャパニーズウイスキーを使ったハイボールで、ポイントは、最後に数種のスパイスをふりかけること。最後のスパイスは、店のスタッフにお任せすることもできるが、約10種類の中から好みのものを自分でふりかけることもできる。