国立富士見台団地の商店街でモダンなのれんがひときわ目を引く「富士見台トンネル」は、小さな店を持ちたい人や実験的な商売を実践したい人に開かれたシェア商店である。開放的なオープンキッチンは、スタッフと気軽にコミュニケーションを取りやすい空間となっており、個性的な店が日替わりで出店している。
中でも足を運んでおきたいのは、水曜日営業の「クナーファ屋」だ。中東で愛される郷土菓子「クナーファ」の専門店である。
看板メニューは「クナーファ キシュナ」(600円、以下全て税込み)と「クナーファ ナーイメ」(700円)の2種だが、特におすすめは糸状の生地をベースにした「クナーファキシュナ」。パリパリの生地ととろりとしたチーズの食感の対比がクセになる。トップの華やかなローズの香りや、香ばしいピスタチオも絶妙なアクセントとなっている。
店主の山田柊は、国際協力系の学生NPO法人での活動を終えたのち、自然な形でパレスチナと交わる方法を模索し、店を開業することを決意したそうだ。現地の味を再現した同店で、東京ではなかなか味わえない中東気分を満喫しよう。