小伝馬町駅近くにあるコーヒー店。料亭のようにのれんがかかった入り口に、窓のない黒い外観……。「一体、ここは何なのか」と、通りすがりの人が興味津々に中をのぞく姿もよく見られる隠れ家カフェだ。
もともとは、戦後間もなくに建てられたカメラ屋だったというこの建物。リノベーションが施された現在は、外観も内装も近未来的でスタイリッシュだ。また、各テーブルごとに設置された照明は、明るさを調節できるというユニークな仕組みも。電気を消してじっくりコーヒーと向き合ったり、明るさを強めて本を読んだり、好みに合わせてくつろげるのがうれしい。また、もう一つ注目してほしいのが、道路沿いの席に設けられた小窓。外からだと分かりにくいのだが、よく見るとカメラのレンズのような窓があり、そこからは丸く切り取られた景色を眺めることもできるのだ。
ドリンクは、ハンドドリップコーヒーやアイスカフェオレのほか、緑茶も用意。プリンやスコーン、トーストといったフードも人気だが、売り切れてしまうことも多いので、絶対に味わいたいならば早めに訪ねるのがおすすめだ。実際に訪ねてみて一つ残念だと感じたのは、来店客同士の話し声の大きさ。静かに過ごしたいと思わずにはいられない空間なので、誰かと足を運ぶ人も、ぜひ同店ではひそひそ話で。ほかのカフェとは一味違ったこの空間自体を、存分に堪能してほしい。
イートインスペースは2階にもあるが、席自体が少ないのと、かなりの人気店のため、すぐに入店できないこともしばしば。扉横のランプが灯っている時は「空席あり」の合図なので、もしこの明かりを見つけたら迷わず足を踏み入れてみよう。