渋谷駅西口の井の頭線改札のほぼ目の前にある一軒家ワインバー。1971年創業の老舗店だ。店名にはイザカヤ(居酒屋)と付いているが、シャンパーニュやブルゴーニュ、ボルドーといったフランスの名醸地主体のボトルワイン3000本以上(グラスワインは30種)を常時そろえ、料理もつまみというより、本格的なフレンチベースのものを提供している。
ワインとフードのクォリティー、しかし居酒屋らしい肩の凝らない雰囲気、ソムリエであり店主の加藤重信(かとう・しげのぶ)の親しみやすい接客が大好評。ワイン愛好家の間で知らない人はあまりいない、都内の有名ワインバーの一つだ。
加藤は2代目で、2012年に先代の実父より同店を引き継いだが、40年以上通い続けているファンも多い。常連の中には東京在住のフランス人もいる。
人気メニューは『鶏白レバーのムース』『キノコオムレツ マデラソース』『パテドカンパーニュ』、そしてモリモリと高く盛りつけられた野菜が印象的な『鴨のサラダ』など。女性の一人客は多く、同店ならではのリラックスした雰囲気の中、一人でワイン一本を完飲する女性客も少ないないそうだ。
テキスト:浅野陽子(フードライター)