若い頃からラーメンが好きだった店主が、歳を重ねても自分が食べたいと思える味を追求して42歳で始めた「上本町 麺乃家」。2002年のオープン以来、食はエネルギーになるという考えのもと、化学調味料を使わないラーメンを提供している。
安心・安全で体に優しい素材を厳選し、独学でラーメンを完成させたのが、今もメニューに名を連ねる「麺乃家らーめん元味」(900円、以下全て税込み)。鶏ガラベースのあっさり醤油ラーメンは、不動の人気メニューになっている。2006年からは独学でスープに合う自家製麺を追求。試行錯誤の末に完成した麺は、しなやかでコシがあり、喉ごし抜群だ。
もう一つの看板メニューになっているのが、つけ麺の「ひやあつ十八番」(950円)だ。使われている麺は、小麦の香り高い中太の卵麺。つけだれは鶏ガラベースのスープに甘みとなる干しエビと醤油だれを合わせ、スダチで酸味をきかせた絶妙なバランスがたまらない。
さらに刻みチャーシュー、ホウレンソウ、宮崎県産の切り干し大根が入った熱々スープが、冷水でしめられた弾力に富む自家製中太麺にさっぱり絡む。スダチ果汁を別添えできるので、中盤から後半の「味変」に使ってみよう。魚介の割りスープで締めれば、最後まであっさりとした味わいが楽しめる。
店主は、トライアスロンで年間の年代別総合順位が340人中22位、フルマラソンでは3時間半を切る自己ベストを残すスポーツマンでもある。それゆえに、食べるものへの気配りはひとしお。自身が店に立つ時は、ほぼ毎日食べているというラーメンやつけ麺がいかに体に優しいかを、元気ハツラツな店主が物語っている。