急な階段を登ると、この隠れた名店と出会える。それがしは鳥料理専門店なのだが、ほかの焼き鳥屋やローストチキンの店とはまったく異なる。長いバーカウンターが備えられた同店には、クールなジャズが流れる洗練されたバーのような雰囲気が漂っているからだ。
また、「とりのすき焼き」が名物だが、鳥といっても焼き鳥ではなく、すき焼きといっても牛ではない。ハラミやハツ、キンカンなど鶏肉のさまざまな部位を特製だれをからめて焼き、生卵をくぐらせて食べる。
「とり辛すき焼き」は山椒のぴりりとした辛みと黒酢の香りがアクセントになり、後を引くうまさに箸が止まらない一品だ。鶏肉とは、こんなにおいしいものだったのかと教えてくれる。
同店は五反田にある日本酒専門店「それがし」から始まった。料理とそれに合わせる酒やナチュラルワインとの相性が素晴らしいのは、言うまでもない。週末は混み合うので、予約して訪ねるといいだろう。