五反田TOCビルにある定食屋。ショーケースに並んだ食品サンプルに、朴訥とした墨字の黄色い看板。横文字を冠した商業ビルの中にあって、いささか意外に思えるほど昭和然とした趣きの大衆食堂である。店内はテーブル席と座敷席に分かれており、昼時はいつもサラリーマン客で賑わう。メニューは「肉野菜炒め定食」(990円)をはじめとした定食類、ほかに「支那そば」(760円)や「白ごま担々麺」(899円)の麺類、「中華丼」(899円)といった丼ぶり類など多岐にわたる。一番人気は通称「ニクシチ」と呼ばれる名物「豚肉七味炒め」(1,080円)で、醤油ベースのタレと七味で炒めた豚肉が、椀の半分にこんもりと盛られたスタミナメニューとなっている。シンプルな料理だが、豚キムチほどしつこくなく、案外あっさりとしているところが特徴。添えられたマヨネーズをつければより箸が進む。味噌汁は、長らく営んできた定食屋しか出せない無計算の美味しさがある。秋田県「いきいき農場」生産の無農薬無化学肥料米を使用した白米は、おかわり無料。
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