湯島とお茶の水の間の雑居ビルの2階にひっそりと佇む「静かめ酒場 のまる」。「通りすがりで入ってこられる方はほとんどいらっしゃいませんね」と店主も語るように、中に入るには少し勇気が必要だが、扉を開ければ酒好きには堪えられない空間が広がっている。
多種多彩な肴が記載されているメニューは、店主が書いたもの。小さな文字で、びっしりと書かれており、老眼を自覚している人にはつらいかもしれないが、ルーペも用意されている。
揚げたてのイモを使った「すぐにでないぽてさらとカラスミふりかけ」(360円、以下全て税込み)や「太陽(すもも)と酒カスのレアチーズ」など、酒が進むメニューに心が躍る。「ブタカタロースとむかごと千住ネギとで黒酢の(豚の黒酢炒め)」(900円)には、「神亀」の燗を合わせてくれた。黒酢の風味が神亀のうまみを引き立たせている。
一つ一つの料理が安価、かつポーションも小さいので、一人でもいろいろオーダーできるのがうれしい。そもそも料理は「時間はかかるが、材料があれば基本的に何でも作ります」というスタンスだ。
2018年にオープンした同店は、店名に「静かめ酒場」と記載されているように、「居酒屋」というよりは、「酒場」といった方がしっくりくる。一人で、あるいは少人数で日本酒を飲むのには最適だ。日本酒の種類も豊富(半合550~770円)。燗(かん)で飲めるものも多い。
日本酒以外のおすすめは、「生ビール」(880円)。店主は「うちほどおいしいビールを出すところはまずないです」と即答。いれかたにこだわっていて、「あえてメニューに銘柄は記載していませんが、みなさんまずわかりません(笑)」とのこと。
店内では、店主が買い集めた器の販売も。値札は明記されておらず、「価格の折り合いが付けば販売しています」。気に入ったものがあれば、相談してみよう。
営業時間は変更となることもあるので、事前にインスタグラムから確認を。なお、月に一度、不定期で、間借りカレー店「カリー クーシー」のカレーランチを提供することもある。