新宿にあるこの鶏鍋の専門店は、東京でもっとも大きいレストランのひとつに違いない。4~10名向けの個室が9つ、3階建て優雅なビルに収まっている。歴史は長く、1928年の創業時の店の写真が壁に飾られている。
玄海は時代に合わせて柔軟に変化してきたが、何十年たっても変わらないレシピもある。「抹茶アイス」は、1940年代の戦争時に、当時の店主が商売を守るため店を一時的にアイスクリームの専門店に変えた、苦労時代を忘れないようにと現在も提供されている。
鶏を何時間も水で煮込んだシンプルで伝統的な水たき中心のメニューは、別に煮込まれた野菜と一緒に食べると、福島県産の伊達鶏の旨みがなんともたまらない。寒い季節にぴったりな、滋養豊富で心温まる夕飯だ。
料亭には珍しく、専属のパティシエが締めのデザートに注力している。祝い用のホールケーキは、3日前までに予約が必要だ。