南阿佐ケ谷の一笑はとんこつラーメン専門店だが、店に入ってもとんこつ臭はほとんどせず、ロックの名盤がかかり、明るく健康的だ。部位ごとに鍋を分けるなど、とんこつのうま味を出すことに徹底的にこだわったスープで、粘度が高く濃厚なのに、驚くほど臭みがなく上品。
これだけでも必食だが、一笑のラーメンの特徴はスープだけにあらず。スープと麺のネギのみの丼にトッピングとしてチャーシューと野菜が別でつくのだが、このトッピングが8種類から選べるのだ。魚粉の乗ったもの、トマトでイタリアン風になるものなど、どれもスープの味をガラリと変えるインパクトのあるものばかり。せっかくのこだわりのスープがもったいないと思うかもしれないが、ベースに自信があればこそできる芸当とも言える。この店を語れるのは8通りのトッピングを制覇してからだ。
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