内情を知らない人から見れば、永福町ではピッツァ戦争が起きているかのように見えただろう。長年、東京のベストピッツェリアの座に君臨していた「ラ ピッコラターヴォラ(La Piccola Tavola)」で腕を奮ってきたシェフ、マッシモタッヴィオ・ミニクッチ(Massimo Tavio Minicucci) が独立し、すぐ近所に自身の店「マッシモッタヴィオ(MASSIMOTTAVIO)」を開店したのだ。
ラ ピッコラターヴォラと比べると内装でこそ見劣りするものの、(取材に同行した知人は、まるで中華料理屋のようだとコメントした)運ばれる料理は、全くもってひけをとらない素晴らしさだ。マッシモが自ら造った石づくりの窯は、生地の端までふわっと焼き上げるため、わざと小ぶりに作られている。
「マルゲリータ・コン ・ブファラ」は端まで生地が膨らんでおり、ナイフで切ると皿にジュワッと汁気があふれ出すため、ナイフとフォークが必須である。味は、想像をはるかに越える素晴らしさ。ピッツァに合うワインのセレクションも豊富で、価格も良心的だ。カクテルグラスに盛り付けられた見事な「ティラミス」のために、おなかに余裕を残しておこう。