飲み屋をはしごするサラリーマンでにぎわうエリアのど真ん中にあるかま田は、飲み過ぎに効くヘルシーな「毒消し」を提供する。個性的だが、昔ながらの栄養たっぷりの和食だ。
店内はなんとも気取らない雰囲気で、ラミネートされたメニューにクイズ番組が流れるテレビ、おしぼりを温める機械には「ヱビスビール」のシールがたくさん貼られている。しかしながら、この新橋の料理屋で作られるおでんは非常に本格的だ。大将の鎌田は、ダイコン、コンニャク、豆腐、黄身の濃い半熟卵、昆布、そして数々の練り物といった具材に魔法をかける。
具はどれも柔らかく煮込まれ、味付けは繊細だ。まぐろ節やかつお節を使っただしが、かま田の料理に独特な風味を与える。おでんは一般的には冬の料理で、かま田の店も日が短く、寒くなるにつれてどんどん忙しくなるが、これだけの料理が手頃な値段で食べられるとあっては、一年中訪れる価値がある。ちなみに、ビール、酒、焼酎の種類も豊富なので、はしご酒を中断する必要もない。