コペンハーゲンのミシュラン二つ星レストラン「カドー(Kadeau)」ほか、いくつかのフレンチレストランで研鑽(けんさん)を積んだ、シェフ兼共同経営者の安田翔平のレストラン。日本の食材を中心に扱っており、それを北欧風の調理で食へアプローチしているところがポイントだ。
北欧風調理とは漬物と発酵のことで、冬が長いデンマークで発達した、食料保存技術でもある。コペンハーゲンで培った技術や経験を、日本の食材を使って生かしているのがこのレストラン。店名はもちろん、発酵に関わる微生物の「かび」に由来する。
料理を際立たせているのは、型破りで、うま味のある風味。強過ぎず、しかし喉の奥にいつまでもごくほのかに漂い続けるような、絶妙なバランスに仕上がっている。コースは1カ月ごとに新しくなり、13品ほど提供する。
代表作は、寿司に新解釈を与えたもので、ホウレンソウとワサビの葉に包まれたサバの押し寿司にケール粉末をかけたもの。通年提供しており、スニッカーズのチョコレートバーのような見た目で、カビの全てを小さな塊に閉じ込めたような一品だ。
なお、完全予約制となっている。