店名に「法善寺」と付いているが、この店があるのは谷町6丁目。それは歴史ある法善寺横丁で営んでいた店舗があまりの人気で手狭になり、2019年に現在の場所に移転したからだ。
今の店が入るのは、660平方メートル以上ある敷地に建つ、重厚かつ品格あふれる日本の伝統建築を改装した複合施設「からほり れん」の一角。この建物は、元侯爵家の別邸だったという説があり、それにも納得がいくほどの高雅さをたたえている。
もし建物の歴史や建築美に興味がないとしても、関西最高峰の日本料理を体感できる店として、ここを訪れる価値は絶大だろう。日本料理一筋45年の主人である吉野雄司は、ベテラン寿司職人でさえほとんど知らない日本各地の希少な魚や最高級魚の数々を駆使する。 野菜類も徹底した自然栽培品のみを吟味。それゆえに澄み切った味わいと目覚ましく力強いうま味は、長く記憶に刻み込まれるだろう。
まずは希少なエビスダイ、ウメイロ、オナガダイ(魚は日替わり)が活躍する昼の「にぎり寿司8巻とオーガニックおばんざいセット」(3,500円、税込み)から体感してみよう。夜の寿司懐石は8,800円(刺し身盛り合わせ、野菜料理、寿司8巻など)から味わえる。