東京のタコスシーンの盛り上がりを語る中で、新中野の「ホーボータコス(HOBO TACOS)」は欠かせない存在だろう。オーナーの星穣は2017年に吉祥寺の「タコスショップ」の立ち上げに携わり、池尻大橋の出店にも貢献。ほかにも各地で行われるタコス関連のイベントに尽力するなど、東京のタコスシーンの最前線を担う存在となっている。
毎日製粉し作るトルティーヤのタコスは常時6~7種が揃う。カルニータス(ラードで低温調理した豚肉)やチキンといった定番具材以外は、その日の仕入れによってどんどん変化するスタイルだ。この日は「カンペチャーノ」というタコスが用意されていた。豚タン、チョリソー、牛バラなどのミックスミートをスモークした唐辛子でまとめたもので「ザ・メキシコシティ」を感じさせる味わいだ。
ほかにも中野坂上で人気の「しいたけ蕎麦」から連想したという「しいたけタコス」や、デザート感覚で楽しめるリコッタチーズとパッションフルーツの「トスターダ」などが並ぶ。
イタリアンシェフというルーツを持つ星ならではの発想から生まれた新感覚のタコスも楽しみの一つだ。 同店ではぜひとも星との会話を楽しみながら、おすすめのタコスと自分好みのメスカルを見つけてもらいたい。
メスカルは常時約30種類の取り揃えがあり飲み方もさまざま。ボタニカルでスモーキーな味わいをタコスと共に堪能しよう。 伝統的なトルティーヤの製法を継承しながらも、具材は旬の日本食材を自由な発想で取り入れていく星のタコスは、訪れる度に新しい発見と感動を与えてくれるに違いない。