渋谷の新たなランドマーク「サクラステージ」の一角に、2024年1月、施設内の飲食店としては最大規模となる「富士屋本店 サクラステージ」がオープンした。「富士屋本店」は、「富士屋本店ワインバー」や「立呑 富士屋本店」も有名だが、同店の歴史は明治時代に桜丘町に創業した酒販店からスタートしている。エリアの再開発によって立ちのきを迫られた老舗が、形を変えて故郷に舞い戻ってきたのだ。
1階がスタンディング席のみの立ち飲みワインバー、地下が80人は収容できるであろう広々としたビストロで、いずれも角打ち時代を彷彿(ほうふつ)とさせるコの字型のカウンターがシンボルになっている。地下にはウォークインの巨大なワインセラーが設置されており、およそ200種類のワインがいつでも楽しめるというから驚きだ。
フードメニューのバリエーションは豊富だが、ベースはビストロ。トマトを練り込んだ特注のコーンに鶏レバーのムースをトッピングしたソフトクリームのようなビジュアルの「鶏レバームース」や、厚めにカットしたサーロインの上にパルミジャーノ・レッジャーノをふんだんにのせた「国産牛サーロインのタリアータ」など、ワインと相性のいいメニューが並ぶ。
なお、地下席は毎日予約でほとんど埋まってしまうそうだが、開店時刻や予約客が落ち着く21時ごろならば入店できることもあるという。桜丘が生んだ老舗の最先端の味を、ぜひ堪能してみてほしい。
※定休日なし、年末年始休業あり