日本橋高島屋の白く整然とした4階フロアに、突如として現れる古めかしい喫茶店。それがCafe 黒澤文庫だ。秋田と仙台で人気を博しているブックカフェの姉妹店で、2021年7月に東京に初出店した。
店内に一歩足を踏み入れると、まるで映画に出てくる古書店のようなノスタルジックな空間が広がる。壁に並ぶいくつもの振り子時計が、時折ボーンボーンと小さな音で時間を知らせるのだが、その音が何とも心地よい。全てのテーブルの上に多様な本が並んでおり、手に取れば、未知の世界との出合いがあるだろう。
客席の近くにガレットの焼き台が設置されており、注文が入る度にそば粉が焼ける匂いがふわっと店内に漂う。ガレットは常時5種類用意されており、フランス語で完全を意味する『コンプレット』には3種類のチーズやハム、秋田の瀧田養鶏場から取り寄せる卵などが乗っている。サイズも大きくランチタイムにも人気だ。
コーヒーは、ミカフェート監修のオリジナルブレンドを使用。1杯ずつハンドドリップで入れている。客の目の前で温めたミルクとコーヒーを同時に注いで作るカフェオレは特別感がある上、大きなマグにたっぷりと入っているので、日常から離れてのんびり過ごしたい時には最適である。