太宰治好きの店主が彼の命日に禅林寺へ参拝し、「帰り道にもう少し太宰に浸れる場がほしい」という思いから立ち上げたのが、古本カフェの「フォスフォレッセンス」だ。かつて目にしたニューヨークのブックカフェで人々が語り合っていた光景を思い描き、ファン同士が気軽に交流できる場を作り上げた。
「太宰棚」と呼ばれるレジ前の棚には、晩年の初版本や手に入りにくい寄贈コレクション、太宰が使用していた小物がずらりと並び、当時の空気を感じながら自由に手に取れる。
「一人の女性の部屋」をイメージした店内には、近代から現代まで、小説、エッセイなどさまざまなジャンルの古書を揃えている。店内の古書は購入可能(一部非売品あり)。一つ一つ丁寧に描かれたラテアートが目を引く「太宰ラテ」(600円、以下全て税込み)を、ふわふわの「フレンチトースト」(500円)とともに味わいながら、太宰の眠る街と彼の生涯に思いを巡らせてみては。
関連記事『東京、ブックカフェ25選』